3回ほど連続で自然エネルギー全量買い取り制度をやりました.
1.概要
2.経済負担
3.目指すべき将来
じゃ,筆者の考えはどうなの?ってことです.
私の考えとして
1.自然エネルギーの普及は進めていくべき
2.目的を明確にする
3.目的にあった手法を取る
4.理性的に考える
5.国民議論はすべきではない
6.結局のとこ理想論
という事です.
【1.自然エネルギーの普及は進めていくべき】
これは,3.の目指すべき将来で述べていますが
私の観点としては,安全保障>経済の活性化>低炭素化社会
という順位付けがあります.
エネルギーの自給自足という点で自然エネルギーの開発は大きなメリットがあると考えます.
また大きな公共事業として位置づけるかどうかというのは議論の余地がありますが
むしろ自然エネルギーを推進することはメリットが大きく
自国資源を待たない日本にとってはむしろ推進しない理由が見つからないぐらいです.
【目的を明確にする】
現在の社会議論において,本来の目的であるはず(根拠法より)の
1.社会・経済の発展
2.低炭素社会の実現
という最も重視すべき点が忘れ去られ
「原子力エネルギー」の代替として「自然エネルギー」が掲げられています.
実際のところ現在の状態では,むしろ目的である2つに対して完全に逆を行なっています.
なので,「何の」ために「自然エネルギー」を推進するのか
そこをハッキリさせないと行けません.
【目的にあった手法を取る】
そもそも論ですが,もし目的が根拠法で述べられているように
1.社会経済の発展
2.低炭素社会の実現
ならば,FITという方法そしてほぼ決定された42円/kwhというのは正しのか
私は正しいとは考えておりません.
本来は産業界・経済界において自由競争・生存競争の下で自然エネルギーは普及されるべきと考えます
作られる制度では発電業者は大資本でありながら「無経営努力」「無営業努力」で大きな利潤を得られる仕組みとなり.
それは「社会経済の発展」という面では大きく損なわれていると考えます.
なぜならばキャッシュ・フローを考えればその利潤は社会活動による富の増大よりも「非発電業者」「家庭」「自治体」から合法的に「富の移転」を「容易」に実現するただのツールとなっているからです.
私としては,多くのプレイヤーが対等な立場で小さな業者であっても合理的であれば自由に参加できる制度が必要と考えます.
また低炭素社会の実現であればむしろ石炭火力やLNG発電に対して「環境税」を導入し火力発電の価格競争力を抑制すべきであり,補助金ビジネスであるFITのような制度をすべきでないと考えます.
【理性的に考える】
現在の社会の風潮として「自然エネルギー」は善,「原子力エネルギー」は悪,「火力発電は」ようわからん.
という感じです.しかしそれぞれ特性があり存在しておりそれを正確に把握する必要があります.
自然エネルギーの発電単価やエネルギー特性・エネルギー密度そして他産業との兼ね合いを実際に検討しているのか
原子力エネルギーについても,放射能とは何かどの程度危険でそのリスクは他のリスクと比較してどうなのか.
現在横たわっている問題の根本はどこにあるのか
火力発電は安全保障としてどうなのか,低炭素社会との兼ね合いは?
など考えるべき事はたくさんあり,それが一方的に悪でどれが善なのか
そんなものはないはずです
むしろそれらを全て組み合わせ日本に最適な発電形態を取っていくべきなのではないでしょうか.
【国民投票はすべきではない】
「国民投票」なんて馬鹿げています.
政治家は国民から選出された代表者であり
むしろこのような事象について「理性的」「国益」を考え議論し決定するのが政治家の役割でないでしょうか.
また国民の多くは理性的かつ合理的に問題を考えることはできない事は明白です.
そもそもリスク計算すらできない人たちの意見を聞いてなんの腹の足しになるか全くわかりません.
【結局のとこ理想論】
これまで述べて来た事は結局のとこ理想論でしかありません
企業の目的は「利潤」であり「国益」ではない.
むしろ「国益」を損なっても,「利潤」を求めてロビー活動や金をばらまくでしょう.
また,国民が愚かであるが故に国会議員も浅はかで愚者が多いのでしょう.
だから愚かな国会議員を信用出来ず「国民投票」とかを考えるのでしょう.
もう堂々巡りです.
いつもの通りの行き着く先としてやはり賢い国民にならないと全ては始まらない
となってしまします.
私ももう少し現実的な考えを出来るようにならないといけませんね.
某研究所勤務.大学時代は応用物理・計測工学から代謝や免疫の研究をしていた. 現在はセキュリティの基礎研究をしている. 世のハッカーとかクラッカーから世界を守る!とか思ってる厨二のおっさん.
2011年4月9日土曜日
放射線が人体に与える影響(3)
研究室の研究提案などてんてこ舞い状態から一服
まだまだ2年は長いと思いつつ出来ることはやろうと思う毎日です。
今回は「放射線はつまるところ安全か?」
について書こうと思います。
ちなみに私の情報のソースは放射線生理学などの医学方面からなので現在のセンセーショナルな市井感情とは違う俯瞰的なものを書きたいと思います。
【7】一般人への急性放射線障害(内部被曝編)
前回、一般人は外部被曝からの急性放射線障害についてまったく心配がいらないと言いました。
しかし内部被曝には注視する必要があるかもしれません。
内部被曝とは放射性物質を体内に取り込むことで内側から放射線を受けることでしたね。
外部被曝より内部被曝の方が注意しないといけないことも前回言いました。
では、内部被曝はどの程度でまずいのか・・・・
この辺は諸説ありますが、定性的な事実として
・妊婦(妊娠の可能性のある女性)
・乳幼児
が特に気をつけないといけません。
なぜならば、成長過程にある個体ほど放射線の影響を受けやすいことがわかっているからです。
端的に言えば「細胞分裂の激しい」「影響の出た細胞が分裂しうる」人たちが影響が大きいのです。
妊婦に関しては母体がまずいのではなく、中にいる胎児に対して影響が出てきます。
特に受精直後の胚の状態ではわずかな放射線で着床を阻害したり、最悪な場合は奇形児などを出産することになってしまいます。
しかし、それ以外の人
特に壮年期以上の人たちは放射性物質に対する耐性は強いといえます。
原発や原子爆弾などで問題となる放射性物質はヨウ素でヨウ素は甲状腺に集まる性質がる事は前回言いました。
そこで重要なのは、甲状腺の働きです。
甲状腺は代謝を司る器官であり、活動が比較的活発なのは30代までといわれています。
それ以降の人たちは一時的な放射性同位体のヨウ素を摂取しても影響は小さく。さらに日本人自体が慢性的なヨウ素過剰摂取状態であるためヨウ素の吸収量は少ないといえます。
しかし、これは一時的なヨウ素摂取の場合で慢性的摂取には注意を払うのがベストかと思います。
ただ、学問的には壮年期以降の人間に対する放射性同位体のヨウ素摂取による甲状腺がんリスクが有意に増加する結果は存在しないので、必要以上な反応はする必要はないでしょう。
【8】生物濃縮
巷では「いくら薄い放射性物質を流しても生物濃縮で高濃度放射線になる」という意見があります。
その上で生物濃縮について知っておく必要があります。
生物濃縮は。食物連鎖の過程を繰り返すうち、上位捕食者ほど体内での対象化学物質濃度が上昇する。(ウィキペディア)
というもので、実はふぐ毒なども生物濃縮で得られた毒性です。
しかし、この生物濃縮は摂取する対象物質が排出される量より少ない場合におこり、尿などの対外排出機能により排出されにくい疎水性(溶けにくい)物質が大きく影響します。
ここで問題になるヨウ素は親水性(水に溶けやすい)物質であり、生物濃縮の影響は小さくなります。
ただ、もとの摂取する量が多すぎると排出が追いつかない場合がありそれが問題となりえるでしょう。
また放射性ヨウ素は半減期が8日から生物濃縮というより生態系で上位捕食者にいくまでになくなっている割合も多くなります。
ニュースで話題になったのは「小女子」で下位捕食者であるがゆえに放射性ヨウ素が多く検出されたのでしょう。
確かに、放射性物質が垂れ流された現状から海洋資源を摂取するのはためらわれます。
市場に流通している海洋資源は基準値がクリアしたものであるため危険視する必要はないと思われます。
【9】端的に言えば現在安全といえるか(まとめ)
最後にまとめに入ります。
一番気になるのは「安全」についてです。
安全の証明は悪魔の証明を同じで、証明することは不可能と言えるでしょう。
そこでこれまで人間は「安全の基準」というものを概念的に設定し、この「基準」を下回れば安全と認識してきました。
しかし、その安全の基準は「核」に関して特に厳しいハードルを設けられ
それに応えるために「誇張」した「安全」を主張してきました。
そしてそれが裏切られたための混乱ということができると思います。
ただ、現在の政府が主張している事は「医学的」「生理学」的には全うな事を言っており
「有意」な差が出ない値を「閾値」として設定して基準値としてます。
私は、基準値を超えていないものを摂取しても「疾病リスク」が高まるとは認識していません。
もし、がんになったらそれはその食材を摂取していなくてもがんになったのでしょう。
それが統計上「有意」の示すことだから。
3回続けて書いてて
「政治」「行政」「企業」に対する事はまったく書いていなく、なるべく客観的事実と科学的(特に医学・放射線生理学的見地)に徹しました。
政治・行政・企業に対して「不信」が募っているのが現在の混乱の引き金になっていると思っています。
反原発運動をするのも結構ですが、そのような人たちを含め日本人が「賢い国民」になることを私は一番望みます。
The ignorance of one voter in a democracy impairs the security of all.
「一人の有権者が民主主義に対して無知であることは、あらゆる安全を低下させる。」
-John F. Kennedy
まだまだ2年は長いと思いつつ出来ることはやろうと思う毎日です。
今回は「放射線はつまるところ安全か?」
について書こうと思います。
ちなみに私の情報のソースは放射線生理学などの医学方面からなので現在のセンセーショナルな市井感情とは違う俯瞰的なものを書きたいと思います。
【7】一般人への急性放射線障害(内部被曝編)
前回、一般人は外部被曝からの急性放射線障害についてまったく心配がいらないと言いました。
しかし内部被曝には注視する必要があるかもしれません。
内部被曝とは放射性物質を体内に取り込むことで内側から放射線を受けることでしたね。
外部被曝より内部被曝の方が注意しないといけないことも前回言いました。
では、内部被曝はどの程度でまずいのか・・・・
この辺は諸説ありますが、定性的な事実として
・妊婦(妊娠の可能性のある女性)
・乳幼児
が特に気をつけないといけません。
なぜならば、成長過程にある個体ほど放射線の影響を受けやすいことがわかっているからです。
端的に言えば「細胞分裂の激しい」「影響の出た細胞が分裂しうる」人たちが影響が大きいのです。
妊婦に関しては母体がまずいのではなく、中にいる胎児に対して影響が出てきます。
特に受精直後の胚の状態ではわずかな放射線で着床を阻害したり、最悪な場合は奇形児などを出産することになってしまいます。
しかし、それ以外の人
特に壮年期以上の人たちは放射性物質に対する耐性は強いといえます。
原発や原子爆弾などで問題となる放射性物質はヨウ素でヨウ素は甲状腺に集まる性質がる事は前回言いました。
そこで重要なのは、甲状腺の働きです。
甲状腺は代謝を司る器官であり、活動が比較的活発なのは30代までといわれています。
それ以降の人たちは一時的な放射性同位体のヨウ素を摂取しても影響は小さく。さらに日本人自体が慢性的なヨウ素過剰摂取状態であるためヨウ素の吸収量は少ないといえます。
しかし、これは一時的なヨウ素摂取の場合で慢性的摂取には注意を払うのがベストかと思います。
ただ、学問的には壮年期以降の人間に対する放射性同位体のヨウ素摂取による甲状腺がんリスクが有意に増加する結果は存在しないので、必要以上な反応はする必要はないでしょう。
【8】生物濃縮
巷では「いくら薄い放射性物質を流しても生物濃縮で高濃度放射線になる」という意見があります。
その上で生物濃縮について知っておく必要があります。
生物濃縮は。食物連鎖の過程を繰り返すうち、上位捕食者ほど体内での対象化学物質濃度が上昇する。(ウィキペディア)
というもので、実はふぐ毒なども生物濃縮で得られた毒性です。
しかし、この生物濃縮は摂取する対象物質が排出される量より少ない場合におこり、尿などの対外排出機能により排出されにくい疎水性(溶けにくい)物質が大きく影響します。
ここで問題になるヨウ素は親水性(水に溶けやすい)物質であり、生物濃縮の影響は小さくなります。
ただ、もとの摂取する量が多すぎると排出が追いつかない場合がありそれが問題となりえるでしょう。
また放射性ヨウ素は半減期が8日から生物濃縮というより生態系で上位捕食者にいくまでになくなっている割合も多くなります。
ニュースで話題になったのは「小女子」で下位捕食者であるがゆえに放射性ヨウ素が多く検出されたのでしょう。
確かに、放射性物質が垂れ流された現状から海洋資源を摂取するのはためらわれます。
市場に流通している海洋資源は基準値がクリアしたものであるため危険視する必要はないと思われます。
【9】端的に言えば現在安全といえるか(まとめ)
最後にまとめに入ります。
一番気になるのは「安全」についてです。
安全の証明は悪魔の証明を同じで、証明することは不可能と言えるでしょう。
そこでこれまで人間は「安全の基準」というものを概念的に設定し、この「基準」を下回れば安全と認識してきました。
しかし、その安全の基準は「核」に関して特に厳しいハードルを設けられ
それに応えるために「誇張」した「安全」を主張してきました。
そしてそれが裏切られたための混乱ということができると思います。
ただ、現在の政府が主張している事は「医学的」「生理学」的には全うな事を言っており
「有意」な差が出ない値を「閾値」として設定して基準値としてます。
私は、基準値を超えていないものを摂取しても「疾病リスク」が高まるとは認識していません。
もし、がんになったらそれはその食材を摂取していなくてもがんになったのでしょう。
それが統計上「有意」の示すことだから。
3回続けて書いてて
「政治」「行政」「企業」に対する事はまったく書いていなく、なるべく客観的事実と科学的(特に医学・放射線生理学的見地)に徹しました。
政治・行政・企業に対して「不信」が募っているのが現在の混乱の引き金になっていると思っています。
反原発運動をするのも結構ですが、そのような人たちを含め日本人が「賢い国民」になることを私は一番望みます。
The ignorance of one voter in a democracy impairs the security of all.
「一人の有権者が民主主義に対して無知であることは、あらゆる安全を低下させる。」
-John F. Kennedy
2011年4月4日月曜日
放射線が人体に与える影響(2)
こんばんわ
昨日(1)って書いたのでその(2)を書きます.
昨日は
1.放射線は細胞異常をきたす
2.遺伝子異常は癌を誘発する
3.内部被曝と外部被ばく
について話しました.
では早速続きを書いていきます.
4.癌以外の放射線が誘発する障害
放射線は癌以外に人体に対して悪影響を与えると言われてます.
実際に東海村のJOC臨界事故(1999)では死者が2人でました.
それは,当然ながらガンではなく急性放射線障害というものです.
この事故についてのレポートを読んだことがありますが,事故当日は吐き気と意識障害だけでしたが
日に日に病状が悪化していき,皮膚がただれ皮膚移植するも定着せず苦しみながら死に至りました.
その時,腸を主に内臓がただれていたと言われています.
これらは中性子線などの放射線が細胞の染色体を一気に壊したことが原因です.
前回話したように,染色体異常が発生すると細胞は増殖をやめ死滅します.
このシステムは多くの細胞が正常で少数の細胞がアポトーシスを起こす場合には有効です.
しかし,体全体の細胞の染色体が破壊されたらどうなるか・・・・
そう,体全体の細胞が死滅していくのです.
ここまで多くの放射線を被ってしまったJOCの犠牲者は稀なケースですが
放射線を一度に多く浴びることにより,似たような症状が出ます.
特に,増殖の激しい造血幹細胞や腸幹細胞,胚・・・意外と毛根も影響をうけます.
そのため放射線を浴びると一時的な嘔吐感や白血球やリンパ球の現象,脱毛などの症状がでます.
ただ,これらの症状は正常な生理作用であり時間が経てば元に戻ります.
一度に放射線を浴びて重篤な症状になるのは稀です(臨界現場の近くに居合わすなど)
故に,一般人が外部被ばくによる急性放射線障害を気にする必要全くありません.
内部被曝についてはまた書こうかと思います.
5.放射線にまつわる単位
順番が謎ですが今更単位の話です.
放射線の単位にはたくさんありますが,市民権を得たと思われる単位は
[Gy]グレイ[Sv]シーベルト[Bq]ベクレル
があると思います.
これらは互換の関係にあるかと思われがちなのですが,そうでもありません.
まず,[Gy]は放射線の種類に関わらず放射線のエネルギー量を示す値になり
この単位は物理や医療の世界で一般的に用いられる放射線の単位となります.
しかし,放射線にはいくつか種類がありましたね,
放射線によって人体に与える影響も異なります,それを考慮した単位が[Sv]となります.
いわば[Sv]は人体への影響に特化した単位でしょう.
最後に[Bq]になりますが,これは少し変わってます.
1秒間にいくつの核種が崩壊を起こすかという単位であり,これだけ時間[t]が次元に含まれます.
1[Bq]ならば一秒間に一つの核種が崩壊しています.
放射線はこの崩壊時に放射されます.
きっといまいちわからないと思います.
適切な表現かどうかわかりませんが,環境系の学生らしくCO(2)の排出と電気の関係で示してます.
電気を使うとCO(2)が出てくると言われてますね.
でも,このCO(2)の量は何で発電されたかによって異なります.
火力・水力・原子力・その他・・・・
こうして考えたとき,発電所の出力を[Bq]使う電気量を[Gy]で排出するCO(2)を[Sv]とすれば
ちょうどいい例えになると思います.
少々苦しいですが・・・
6.放射性物質の違いによる放射線
某SNSなどで「プルトニウムが一番危険」「半減期が長いほど危険度が高い」
「外部被ばくでも放射性物質により異なる」などの記述が気になります.
これらは正しくもあり間違ってもいます.
まず正しい部分として,プルトニウムが危険なのはその放射線の質ではなくて
肺に入ってしまうと排出できない事に問題があります.
そのため,プルトニウムが危険というより肺に放射性物質物質がはいる事が危険なのです.
またヨウ素などは血中に溶解し尿として排出されますがプルトニウムがそのような作用を持ってない事も
原因になりそうです.
半減期が長いほど危険度が高いというのは一概には言えません.
なぜならば,半減期が長いという事はその核種の出す放射線量は少なく長く続く意味で.
半減期が長いほど放射線量は少ないと言えます.
放射性物質による放射線の違いについては微妙です.
たしかにここで問題となるα崩壊によるα線(ヘリウム原子核)とβ崩壊による電子線です.
これらは確かに放射性物質により異なりますが,この2種類しかなく.特に何々が危険な放射線を出す
という事はありません.
この時,便利な概念として崩壊系列があり,一つの核種が放射線を複数回だしながら
物質を変化していくことです.
一例を上げれば例えばPu239(プルトニウム239)はアクチニウム系列に属し
プルトニウム239→ウラン235→トリウム231→プロトアクチニウム231→・・・・→鉛207
と変化していきます.
放射線が崩壊毎に出されることから,一つのPu原子から12回も放射線が出ると言えます.
一見危険そうに思いますが,プルトニウム239の半減期が2万4千年から,そんな心配をする必要はなさそうですね.
途中で息入れ感も否めませんが
その3も書けたら書こうかと思います
昨日(1)って書いたのでその(2)を書きます.
昨日は
1.放射線は細胞異常をきたす
2.遺伝子異常は癌を誘発する
3.内部被曝と外部被ばく
について話しました.
では早速続きを書いていきます.
4.癌以外の放射線が誘発する障害
放射線は癌以外に人体に対して悪影響を与えると言われてます.
実際に東海村のJOC臨界事故(1999)では死者が2人でました.
それは,当然ながらガンではなく急性放射線障害というものです.
この事故についてのレポートを読んだことがありますが,事故当日は吐き気と意識障害だけでしたが
日に日に病状が悪化していき,皮膚がただれ皮膚移植するも定着せず苦しみながら死に至りました.
その時,腸を主に内臓がただれていたと言われています.
これらは中性子線などの放射線が細胞の染色体を一気に壊したことが原因です.
前回話したように,染色体異常が発生すると細胞は増殖をやめ死滅します.
このシステムは多くの細胞が正常で少数の細胞がアポトーシスを起こす場合には有効です.
しかし,体全体の細胞の染色体が破壊されたらどうなるか・・・・
そう,体全体の細胞が死滅していくのです.
ここまで多くの放射線を被ってしまったJOCの犠牲者は稀なケースですが
放射線を一度に多く浴びることにより,似たような症状が出ます.
特に,増殖の激しい造血幹細胞や腸幹細胞,胚・・・意外と毛根も影響をうけます.
そのため放射線を浴びると一時的な嘔吐感や白血球やリンパ球の現象,脱毛などの症状がでます.
ただ,これらの症状は正常な生理作用であり時間が経てば元に戻ります.
一度に放射線を浴びて重篤な症状になるのは稀です(臨界現場の近くに居合わすなど)
故に,一般人が外部被ばくによる急性放射線障害を気にする必要全くありません.
内部被曝についてはまた書こうかと思います.
5.放射線にまつわる単位
順番が謎ですが今更単位の話です.
放射線の単位にはたくさんありますが,市民権を得たと思われる単位は
[Gy]グレイ[Sv]シーベルト[Bq]ベクレル
があると思います.
これらは互換の関係にあるかと思われがちなのですが,そうでもありません.
まず,[Gy]は放射線の種類に関わらず放射線のエネルギー量を示す値になり
この単位は物理や医療の世界で一般的に用いられる放射線の単位となります.
しかし,放射線にはいくつか種類がありましたね,
放射線によって人体に与える影響も異なります,それを考慮した単位が[Sv]となります.
いわば[Sv]は人体への影響に特化した単位でしょう.
最後に[Bq]になりますが,これは少し変わってます.
1秒間にいくつの核種が崩壊を起こすかという単位であり,これだけ時間[t]が次元に含まれます.
1[Bq]ならば一秒間に一つの核種が崩壊しています.
放射線はこの崩壊時に放射されます.
きっといまいちわからないと思います.
適切な表現かどうかわかりませんが,環境系の学生らしくCO(2)の排出と電気の関係で示してます.
電気を使うとCO(2)が出てくると言われてますね.
でも,このCO(2)の量は何で発電されたかによって異なります.
火力・水力・原子力・その他・・・・
こうして考えたとき,発電所の出力を[Bq]使う電気量を[Gy]で排出するCO(2)を[Sv]とすれば
ちょうどいい例えになると思います.
少々苦しいですが・・・
6.放射性物質の違いによる放射線
某SNSなどで「プルトニウムが一番危険」「半減期が長いほど危険度が高い」
「外部被ばくでも放射性物質により異なる」などの記述が気になります.
これらは正しくもあり間違ってもいます.
まず正しい部分として,プルトニウムが危険なのはその放射線の質ではなくて
肺に入ってしまうと排出できない事に問題があります.
そのため,プルトニウムが危険というより肺に放射性物質物質がはいる事が危険なのです.
またヨウ素などは血中に溶解し尿として排出されますがプルトニウムがそのような作用を持ってない事も
原因になりそうです.
半減期が長いほど危険度が高いというのは一概には言えません.
なぜならば,半減期が長いという事はその核種の出す放射線量は少なく長く続く意味で.
半減期が長いほど放射線量は少ないと言えます.
放射性物質による放射線の違いについては微妙です.
たしかにここで問題となるα崩壊によるα線(ヘリウム原子核)とβ崩壊による電子線です.
これらは確かに放射性物質により異なりますが,この2種類しかなく.特に何々が危険な放射線を出す
という事はありません.
この時,便利な概念として崩壊系列があり,一つの核種が放射線を複数回だしながら
物質を変化していくことです.
一例を上げれば例えばPu239(プルトニウム239)はアクチニウム系列に属し
プルトニウム239→ウラン235→トリウム231→プロトアクチニウム231→・・・・→鉛207
と変化していきます.
放射線が崩壊毎に出されることから,一つのPu原子から12回も放射線が出ると言えます.
一見危険そうに思いますが,プルトニウム239の半減期が2万4千年から,そんな心配をする必要はなさそうですね.
途中で息入れ感も否めませんが
その3も書けたら書こうかと思います
2011年4月3日日曜日
放射線が人体に与える影響(1)
そういえば,ブログをリニューアルしてから全く編集してないなw
私は研究で癌についてやっており,特に放射線療法に直結する内容を研究してます.
まだまだひよっこの知識から放射線が与える人体への影響を整理してみた.
1.放射線は細胞異常をきたす
これははっきり物理現象としても生理現象としても研究しつくされています..
しかし放射線にも色々種類があり,それぞれ異常をきたす機序が異なっており
大まかにわけて放射線は2種類に分けれます.
それは線エネルギー付与の違いで【高LET】【低LET】と呼ばれます.
【高LET】は重量子線でα線など【低LET】は電子線,中性子線や電磁波が当てはまります.
これらはより正確に生物に対する影響を考慮すると生物学的効果比(RBE)で表され
これを上手く組み合わせたものがシーベルト(Sv)と呼ばれています..
ここで【高LET】は遺伝子を直接破壊しますが【低LET】はその電離作用で酸素を励起させ活性酸素とし
その活性酸素とタンパク質との作用で遺伝子を損傷・破壊します.
放射線療法においては【低LET】は保険適用ですが,【高LET】は自由診療で治療費はおよそ300万円かかります.しかし,予後と副作用は天と地の差があり私はお金を出し手でも【高LET】を使うと思います.
2.遺伝子異常は癌を誘発する
正確には遺伝子異常をきたし,その細胞が浸潤・転移・無限増殖の三要素を兼ね備えた物が癌と呼ばれます.それを兼ね備えた物ではない場合良性腫瘍と呼ばれるものです.
染色体は日々,宇宙線や化学物質,その他の影響をうけて遺伝子は損傷をうけている上
遺伝子のコピーをするときのミスも遺伝子異常の大きな原因な一つです.
しかし,正常細胞にはこれまでの生存競争を生きてきた遺伝子を修復するプロセスがあります.染色体は対になったらせん構造であり正常な鎖を元に異常な遺伝子を修復します.
ここで染色体と遺伝子を使い分けていますが,染色体はあのらせん構造そのものの事で
遺伝子はその染色体の中で【意味】を持った部位の事をさします.つまり【意味】を持たない部位は異常を起こそうかどうしようが何の影響も無い部位です.その割合は全染色体の大部分を占めています.
また,遺伝子が復旧できない場合はアポトーシス(細胞自殺)という作用から周りに迷惑になる前に消滅します.
時々この異常がアポトーシスを司る遺伝子(p53遺伝子などがん遺伝子)に及んでしまった時だけ癌になります.
このようにして体の中は秩序が非常に合理的な方法で保たれています.
3.内部被ばくと外部被ばく
被ばくにも2種類あり放射性物質を体内に取り込む内部被ばくと外の放射性物質から影響をうける外部被ばくです.
現在問題となっているのは一般人にとっては内部被ばくであり
現地で作業している人は外部被ばくです
これらは全く意味が異なっており混同するのは危険です.
内部被ばくは体内に放射性物質を取り込むことによって慢性的に放射線を浴び
皮膚(特に角質層)という防護を全くうけていないので臓器などに直接影響を受けます.
しかし,そのためには体内に留まらないといけません
口径摂取によってヨウ素は甲状腺に溜まる作用があり危険ですが,セシウムは微量筋肉に蓄積されますが影響は小さいです.それ以外の物質に関してはほとんど排泄されます.
一方呼気による摂取は危険で肺に入るとそれを取り除く作用は弱く留まり続けてしまいます.
プルトニウムなど口径による影響は小さいですが呼気による影響が甚大となります.
このようにして一口に放射能と言っても場合分けして考えていけないのがミソとなるでしょう.
続きはまた書こうと思います.
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