そういえば,ブログをリニューアルしてから全く編集してないなw
私は研究で癌についてやっており,特に放射線療法に直結する内容を研究してます.
まだまだひよっこの知識から放射線が与える人体への影響を整理してみた.
1.放射線は細胞異常をきたす
これははっきり物理現象としても生理現象としても研究しつくされています..
しかし放射線にも色々種類があり,それぞれ異常をきたす機序が異なっており
大まかにわけて放射線は2種類に分けれます.
それは線エネルギー付与の違いで【高LET】【低LET】と呼ばれます.
【高LET】は重量子線でα線など【低LET】は電子線,中性子線や電磁波が当てはまります.
これらはより正確に生物に対する影響を考慮すると生物学的効果比(RBE)で表され
これを上手く組み合わせたものがシーベルト(Sv)と呼ばれています..
ここで【高LET】は遺伝子を直接破壊しますが【低LET】はその電離作用で酸素を励起させ活性酸素とし
その活性酸素とタンパク質との作用で遺伝子を損傷・破壊します.
放射線療法においては【低LET】は保険適用ですが,【高LET】は自由診療で治療費はおよそ300万円かかります.しかし,予後と副作用は天と地の差があり私はお金を出し手でも【高LET】を使うと思います.
2.遺伝子異常は癌を誘発する
正確には遺伝子異常をきたし,その細胞が浸潤・転移・無限増殖の三要素を兼ね備えた物が癌と呼ばれます.それを兼ね備えた物ではない場合良性腫瘍と呼ばれるものです.
染色体は日々,宇宙線や化学物質,その他の影響をうけて遺伝子は損傷をうけている上
遺伝子のコピーをするときのミスも遺伝子異常の大きな原因な一つです.
しかし,正常細胞にはこれまでの生存競争を生きてきた遺伝子を修復するプロセスがあります.染色体は対になったらせん構造であり正常な鎖を元に異常な遺伝子を修復します.
ここで染色体と遺伝子を使い分けていますが,染色体はあのらせん構造そのものの事で
遺伝子はその染色体の中で【意味】を持った部位の事をさします.つまり【意味】を持たない部位は異常を起こそうかどうしようが何の影響も無い部位です.その割合は全染色体の大部分を占めています.
また,遺伝子が復旧できない場合はアポトーシス(細胞自殺)という作用から周りに迷惑になる前に消滅します.
時々この異常がアポトーシスを司る遺伝子(p53遺伝子などがん遺伝子)に及んでしまった時だけ癌になります.
このようにして体の中は秩序が非常に合理的な方法で保たれています.
3.内部被ばくと外部被ばく
被ばくにも2種類あり放射性物質を体内に取り込む内部被ばくと外の放射性物質から影響をうける外部被ばくです.
現在問題となっているのは一般人にとっては内部被ばくであり
現地で作業している人は外部被ばくです
これらは全く意味が異なっており混同するのは危険です.
内部被ばくは体内に放射性物質を取り込むことによって慢性的に放射線を浴び
皮膚(特に角質層)という防護を全くうけていないので臓器などに直接影響を受けます.
しかし,そのためには体内に留まらないといけません
口径摂取によってヨウ素は甲状腺に溜まる作用があり危険ですが,セシウムは微量筋肉に蓄積されますが影響は小さいです.それ以外の物質に関してはほとんど排泄されます.
一方呼気による摂取は危険で肺に入るとそれを取り除く作用は弱く留まり続けてしまいます.
プルトニウムなど口径による影響は小さいですが呼気による影響が甚大となります.
このようにして一口に放射能と言っても場合分けして考えていけないのがミソとなるでしょう.
続きはまた書こうと思います.
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