2011年12月31日土曜日

2011年のまとめ

最近,ブログ更新してませんでしたが
うんちく的な事ではなくて私事のまとめをします

2011年はサークルの同期と迎えました
日の出海岸もなつかしい思い出になりますね
今年も同期で年越し会やるみたいですが,私は実家でぬくぬくです.

やったことは
研究・・・・それ以外は
ほとんどプライベートなので何もしてませんね(;´∀`)

研究ではオーラルでIEEE年次総会でオーラル発表して
修士の研究は完全にオワコン化

プライベートでは
スキー・サンセットクルージング・京都旅行・サークル旅行
そして最後にリアル桃鉄
これはゲームマスターでもう一度やってみたいと思いましたね

スケジュール帳を見てると
10月以降の予定が完全にやばい状態
就活が少しずつ始まり,研究では追い詰められ・・・
そして年末・・・

とった資格はない
でも,今年はそれなりに満足
来年はもっといい年になるといいね

就活うまくいくといいね
という事でみんなよいお年を〜(*^_^*)

2011年11月6日日曜日

飯田哲也講演会の感想


2011/10/5 にて慶應義塾大学の日吉キャンパスで飯田哲也氏の講演会があった.
twitter上で散々非難している人物なので一度ぐらいは話しを聞かないとと思っていたのでいい機会でした(主催が憲法9条の会ってのが気になりますが)

まず飯田哲也氏の紹介です(wikipediaより)
山口県都濃郡都濃町(現周南市)出身周南市立中須小学校に入学、のち山口県立徳山高等学校理数科を経て、1977年京都大学工学部原子核工学科に進む。在学中ワンダーフォーゲル部に所属し、年間100日くらい山に入っていた。1983年、京都大学大学院工学研究科原子核工学専攻修了。同年、神戸製鋼へ入社。電力中央研究所勤務(出向)をへて、1996年東京大学大学院先端科学技術センター博士課程単位取得満期退学。
勤務先で「原子力村」の実情に接し、矛盾を感じて退職。スウェーデンに留学し、エネルギーと暮らしの現場を訪ね歩いて人間の生活が中心に据えられた社会を再認識、「原子力村」と向き合う覚悟が固まるに至る[3]
2000年、NPO法人環境エネルギー政策研究所を設立して所長に就任する。1992-2006年日本総合研究所主任研究員を兼務。1990-1992年スウェーデンルンド大学環境エネルギーシステム研究所客員研究員をつとめた。
中央環境審議会総合資源エネルギー調査会東京都環境審議会などの委員を歴任。鳩山内閣時には、中期目標達成タスクフォース委員、および行政刷新会議事業仕分け人に指名された。環境省中長期ロードマップ委員、規制改革会議グリーンイノベーション分科会委員、環境未来都市委員などを歴任。
2011年3月の東日本大震災後、エネルギー戦略・原子力戦略、とくに「戦略的エネルギーシフト」を打ち出す。同年10月より総合資源エネルギー調査会基本問題委員会委員、内閣官房原子力事故再発防止顧問会議委員に就任。
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基本的に彼は「原発反対」「自然エネルギー推進」の先端です.
元々彼には興味があったので下準備をして色々質問しようと考えていましたが結果的にはできませんでした(理由は後述)
という事で彼の講演会の内容をざっくりと紹介

原発事故について
・原因は原子力村を代表とする官僚組織に問題がある.
・自分が正しくほかの意見を聞かずに暴走するという視点では旧日本軍と同じ思想
・本当の官僚・政治家というものが存在しない(河野議員や元福島県知事を除いて)から後手後手にまわったために被害が拡大した
・行政に大きな責任
・シビアアクシデントのため除染・廃炉に数百兆かかる

原発自身について
・そもそも原発はサイクル的に行き詰まっている(プルサーマルも×最終処理施設もない,事故ばかり)
・市場原理的にリスクテイクができないから市場的にこれから衰退するはず(賠償金が数兆円)
・国際金融機関も原子力にはお金を出さない
・本当の電力単価は非常に高い(30~8000円/kWh)
・経済優位性の無い原発は廃絶すべき

自然エネルギーについて
・自然エネルギーは膨大でありポテンシャルが高い
・欧州では非常に普及しており日本だけが取り残されている
・特に「太陽光発電」は魅力的で数年以内に市場競争性も備え他の電力を駆逐する
・その他の再生可能エネルギーも魅力的である
・実際に新エネルギー企業は時価総額も増大し他の企業を脅かしている
・普及させるためには全量買取制度などの「優れた」政策が必要である(ドイツ・スペインなど)
・政策が優れていれば直ちに自然エネルギーは普及する

環境問題全般について
・二酸化炭素の地球温暖化への影響は「ない」
・2011年が自然エネルギー革命で人類の第4の革命
・欧州のエネルギー政策は非常に優れている

質疑応答編(覚えている限り)
Q.風力発電は発電において周波数をコントロール出来ないという反論についてどう思うか
A.それは事実に基づかずひ科学的な議論でありAD変換すれば(?インバータ・コンバータでは?)
Q.国民投票の実現可能性
A.国民投票は難しいから2%の住民の直接請求できる地方自治体でまずは住民投票すべきだと思う.たとえば世田谷区などで
Q.具体的に飯田さん自身はどこに自然エネルギーの発電所を設けるべきか
A.環境省にどこに設置できるか資料があるからそれを参考にしてほしい
Q.衰退するとわかっている原子力技術に若い人材が興味が抱かないではないか.そうすると今後の廃炉作業にも影響が出る.
A.その心配はない.これらの技術はいろいろな専門家が集まればいい(核物理なら物理学者.放射線なら医療従事者など)原子力工学科がなくなっても人材は枯渇しない.むしろ放射線廃棄物の保存など崇高な職業はむしろ人気がでるはず
Q.原発は即廃止というのはどう思うか
A.別に即廃止する必要はないと思っている.別に即廃止してもいいが・・・・
Q.エネルギーシフトについて具体的にどうすべきか
A.政治主導でするしかないが,それが出来る本物の政治家や官僚はなかなかいない
Q.TPPについて
A.応える立場ではないが,あまり否定的肯定的でもなく中立的.ただ知のグローバリゼーションは必要でwin-winの関係になることを心がけるべき
Q.今後エネルギーシフトするとして日本企業が世界の市場を相手できるか
A.それはこれから次第であり,現在以上の超高付加価値を行う必要がある.

こんな感じでした.
以下私の彼の意見への反論や突っ込みなどです
話しの持って行き方
彼は非常に話し上手だったのだが,注意していないと気付かない点がいくつかあった
彼の話しの流れは
1.原子力は市場優位性は低いし問題だらけ
2.一方自然エネルギーはクリーンでポテンシャルも豊富で欧州を中心に盛んである
3.故に日本も脱原発ができるはず
と市場原理を持って来ましたが原発問題については日本だけ
自然エネルギーについては欧州だけで日本にどれだけ適合性があるかという話しが全くありませんでした.
それでいて日本で導入を勧めるべきっていうのは少し暴論かなと

自然エネルギー企業の勃興
彼の主張では「自然エネルギー企業は時価総額では世界の企業に片を並べるほどであり,市場優位性もある」という事で出された資料は2008年のもの
残念ながら,現在は2011年でその後新エネルギー企業がどうなったかというのはかなり変化があります.
Q-cells(太陽光発電設備メーカ)の時価総額は2008年から10分の1
First SOLARは5分の1と
彼の主張で出てきた企業は事ごとく経営危機を迎えています.
このような事実を無視して「市場性がある」というのはどうなんですかねと

本当の電力単価
本当の電力単価で原発をかなり大きく見積もっていましたがそれは全ての発電に適応しなければFairではないのではないかと思いましたね
まず.太陽光発電など自然エネルギーについては全量買取制度に基づく税金も勘案しないといけませんし当然処理費用などもろもろも勘案しないといけません.
それらを語らずに自然エネルギーが優位性があるというのはいかがなものかな?

自然エネルギーの普及
彼の論理では「市場優位性」から自然エネルギーが普及しているかのような言い方ですが,果たしてどうだろうか
私には全量買取制度がなければ普及できない市場優位性など無いと思います.
実際ドイツもスペインもFITなど電力買い取り制度のお陰で普及しています.
決してそのような政策が悪いといいませんがこのような政策をした国の末路を知っていると簡単に賛成はできません.
簡単に言えばこの制度は「成り立たない」からであり,実際にドイツは買取料金を下げた上に期間を短くして訴訟沙汰にもなっています
スペインでは急激な自然エネルギー推進による負担もあり財政危機に陥っており,この制度は数年で廃止されることは決まっています.
そのような事実は完全無視ですかね

各国の事情を勘案しない
ドイツの電力体制はとなりの原発大国であるフランスありきで成り立っていること
同じようにスペインももフランスのおかげでなりたっている
アメリカの事情ではカルフォルニアについて語るが隣の州について触れもしない,電力融通を受けているのに
これらの国は地域で電力融通ができるが日本ではそういう事ができなく列島中でなんとかしないといけないという前提を考慮していない

レッテル張りが好き
全体的にきになったコトだが,原子力村や非科学的,旧日本軍的,妄想家,など理論もなくネガティブな印象を与え議論をしない印象をうけました.
私からみたら彼の方が非科学的で妄想家であろうとも

以上の事が彼の主張に対する私の意見です.
彼の主張などはなかなかつっこみどころ満載でしたが,同意すべき点は多くありました
しかし問題は聴衆で,疑いもせずに賛美する人が多く見られました
そして,老人たちが「みらいのため」と語っているのが少し滑稽でしたね
少しも未来を考えていなく保身しか考えていないあたりが
それと憲法9条の会が主催しているだけあって,そのつてで集めた人が多かったです
そしてとても怖い雰囲気でした.つまり「反対する意見する奴は人間ではない」そんな雰囲気でしたね.

酔いながら書いているので少々拙いですが今日はこのへんで
本来書く予定だった原発問題とゲーム理論は今書いている途中でその次はTPPとかについてやろうかなって思います

2011年9月25日日曜日

国際会議 in Boston (観光&うんちく編)

そろそろ半月です.
その間に色々ありました・・・いろいろww
私ごとでは謹慎くらって今は研究室NEETです

という事で以前書くと言った観光編
国際会議の楽しさといえば観光です.
むしろその為に行ってきたような物です.

ボストンはアメリカのマサチューセッツ州というとこにあります.
 ちっさいですね.
でも,この州はメイフラワー号が来た土地でもあり
アメリカ独立の地でもあります.
そのため,非常に多くの歴史的建造物があります.
いくつかを紹介
これはマサチューセッツ州旧州議事堂でありアメリカではかなり重要な建造物(だそう)です.
この建造物の前で当時イギリス植民地化時代のアメリカでイギリス軍にアメリカ植民地化民が虐殺(射殺)されました.(ボストン虐殺)
そしてそこからイギリスから独立しようとする機運が活発になったそうで
また,アメリカが独立した際に独立宣言を宣言したのものこのバルコニーです.


ちなみに今の州議事堂は
こんな感じで立派な建物になっています.

ボストンにはプロテスタントではなくカトリック教会もあります
変ですよね?
実はこれイギリス国教会であるキングスチャペルと言われる建造物です.
イギリスから独立したアメリカ故にイギリス国教会へ土地を売らず墓地の中に立てられ
なるべく目立たない作りになっているそうです.

ちなみにこの向かいにある
Omi Parker House Hotelに私は泊まりました.
高かったですw

ボストンで有名なのは
高等教育とくにHarvardとMIT
言わずもがなですね
ちょっと紹介
有名なMITにある有名な()グレートドーム
俺はこの前でどうしたら矢上の創想館をHackできるかかんがえていました.
もう少しいったとこにあるHarvard
有名な門の写真撮ろうと思ったけど,あまりに目立たなすぎて素通りしてしまいました.
これはジョン・ハーバードという別に創設者でもないのに
ハーバード大学の名前の由来になって人の像です
左足がちょっと剥げているのはこの足に触ると頭が良くなるという都市伝説的な物があるからで
観光来たアジア人がたくさん触っていました
ちなみにこの像の目の前でドヤ顔で読書していたらリッチモンドから観光に来た老夫婦に

「どうやったらこの大学に入れるんですか?学生さん(笑)」と問われたので
「私が知りたいぐらいです」というやり取りをしました
残念ながら俺は所詮3流私立大学ですよorz

他にもたくさんまわりましたが若干疲れたので最後に
ホエールウォッチングの話し
マサチューセッツ州のボストン沖ではホエールウォッチングが有名です
高速船で約1時間沖合に出るとたくさんのくじらさんに逢えます
イヤッホォォ!!!

まぁ,そんなのりのりで国際会議でも楽しい事はたくさんありますよ☆
という締めで
国際会議の報告書を書き始めようと思います.

2011年9月7日水曜日

初の国際学会を終えて(国際会議編)

おはようございます.
先日,日本に帰国してJet Lagがひどくて全く眠れませんでした.
しかし本日から普通の研究生活に戻るので徹夜?して向かいます.

では,初の国際学会...他の人に指摘されましたが
国際会議と言ったほうが正しいのかも知れません.
International Conference の訳としては後者の方がしっくりしますね.
何はともあれ,初のOral発表を終えてきました.



会議自体は5日間の長丁場
私のセッションは4日目の後半でありMicroScopic系統です.
IEEEという事もあり顕微鏡に特化した発表は少数派であり,少し私のセッションは閑散としている気が否めませんでしたが・・・・
まぁ,いいでしょう.

実際,演壇に登る前・・・もうbostonに入った時から緊張しっぱなしでした.
リハーサルを行いましたが,それでも「やべぇ,やべぇ」としか思いません.
しかし始まってしまえばもう「やるしかない,しゃべるしかない」
という感じですね.
在米3日目となり少し英語に慣れたこともあって英語で少しアドリブする事も出来ました.
しかし問題は質疑応答のです.
先生には予め「演壇上であわあわするのもいい経験だよ」って言われていたので
もうどうにもならないと思い来や,出てきた質問は予め想定していた質問で回答にはそれほど困りませんでした.
しかし,問題はその後で補足事項を説明し出したら英語がでない(^_^;)
結局Chair manが「おいおいおい」ってなって補足してくれて終わりました.

その時の勇姿を見せたいのですが
何分,web上でさらされるのは怖いのでやめておきます.

楽しみのバンケットには他の用事があり参加できずに今回は残念
その他Leader Lunchとうただでお昼ご飯食べるイベントが有りましたが
これも,自分の研究が他の人の分野と違いすぎて「あ,,,そうなんだ」って感じに流されて少しさみしかったです.
でもみんな日本の事を非常に心配しておりました.

ポスターセッションではフリードリンクとケーキ食べ放題でenjoyしつつ
気になったところは質問などしました.
他のConferenceではアルコールも出ることがあるそうです(某T大学先輩談)
しかし,英語は適度に話せても何分聞き取れない
特にnewsなどとは違い生身の人間の英語はほとんど聞き取れず
質問したのにその回答を理解できないという事態・・・
非常に残念でした.

今回の国際会議にまとめとしては
  • 英語は非常に重要で必要不可欠な「ツール」
  • せっかく来たのだから楽しまなければならない
なんのまとめだよって感じになりますけど
英語は本当に重要です.
それで今回は本当に悔しい思いをしました.
確かに英語は一朝一夕には出来ないけど,出来ないとお話にならないという事もよくわかりました.
と最後に英語の重要さを説いて終わります.

Bostonでは色々楽しんできたので,おあそび編また次回書こうと思います.
ではそろそろ学校に行く準備でもしますか

2011年8月26日金曜日

国際学会への準備2(心持ち&現地通信編)

前回の更新からちょっと時間が経ってしまいました.
夕方から買い出しに行こうかと思ったけど豪雨なので諦めです
このブログを読んでくれている友達に言われたのですが,どこの学会に行くか書けばいいじゃん
と言われたので,晒しちゃいます.

学会としてはIEEE Engineering in Medicine and Biology Society
のConferenceです
興味無いかも知れませんが,IEEEとは聞いたことあるんじゃないでしょうか.
そう,無線LANとかの規格もIEEE802.11nとかIEEEがついてます
ではこのIEEEとは何かThe Institute of Electrical and Electronics Engineersの略で
日本語で言う処の電気電子工学会でしょうか・・・
じゃ,医工学の私が何故こんな学会に行くかと言うと
医工学の歴史は電気電子の歴史と言っても過言で位検査技術には電子工学が使われています.
例えばMRIやCTなどもまさにこの技術であり
私も曲りなりにそんな事をやっているからです
(分子細胞生物学がやりたかったが,理工学部が生理学に突っ込むのはアカン.光学的見地を持てと言うこと)
と話は戻ってどんな学会かはどうでもいいと思います.

では心持ちとしては,現在非常に緊張しています.
まぁ,英語に不自由ですからね
ということで練習あるのみ,そこで私の英語のプレゼンについて話します.
  1. 英語はハキハキ
  2. 発音は気にしない(Asianはみんな発音ダメだから気にするな)
  3. レーザーポインタを効率良く使う
  4. 原稿を作らない
  5. KeywardsはなるべくSlideに入れる
  6. 頭が白くなったことを想定した場合も練習する
  7. 練習あるのみ
とかなり先生の受け売りな部分もありますが
私みたいにEnglish nativeじゃ無いのはもう受け入れるしか無いと思いますし
聴衆側も分かります.
無理に発音に気を使いすぎて内容が無いようってならないようにしなければいけないと思います
また,発音が下手でも発音をハキハキとするだけでも相手がわかってくれるという事もあります.
もう,発音なんて気にせずドヤ顔で行く



原稿は作りました.(あれ?)
まぁ・・・記憶してる部分も多くありますが心持ちとしては
記憶したのをしゃべるのではなく,スライドに書いてある事をその場で説明する
という感じで原稿は作らない方がいいかもしれません
そして,その為にもSlideに言わなければならないKeywardsを余すことなく入れる
これは聴衆側の為でも自分の為でもあります
レーザポインタは効率良く使う必要があります
特に英語が下手くそな俺は,今何を話しているかをスライドにポインタを当てながら示す必要があります.
そうすることで聴衆側の理解の助けになるんじゃないかと言うことですね

当然ですが母国語じゃない上に,英語の成績が壊滅状態の私には壇上で頭が真っ白
という事は十分想定出来ます.
その為に,言い換えの練習をしました.
なるべく咄嗟出てくるような,少し幼稚でも問題無いような英語をいくつか用意しました.
本番にその用意したものが出てくるかも不安ですが,言い換えの練習をしておけばなんとかなるんじゃないかという発想です.

もう最後には練習あるのみです.
書いていて思いましたが,本当に日本語のプレゼンと何ら違いがありませんね
ただ,非母国語であるが故に言い換え表現が出来なかったり
思ったことを喋れなかったりあるでしょう.
もうそこは諦めです.受容するしかないんじゃないかと思います.
あ〜書いていて恥ずかしくなるような感じですが
直前の心境はこんな感じ・・・
後は,質疑応答の事は予め何を聞かれるかを予想して(学内での発表もあったので比較的しやすい)それを覚えるのではなく,英語で言えるように練習しています.
英語ができない院生ですが,それでも比較的大きな国際学会で発表できるという事を感謝しつつ挑んでいきます.

長くなりましたが少し実用的な事

現地での通信に関して

現地では当然日本の携帯を国内のように簡単に使えません
だからと言って通信手段を用意していかないのはこのご時世なかなか難儀なものでもあります.
そこでどんな事をするとベストか考えました
  1. SIMフリーの端末+現地SIM
  2. 携帯電話のレンタル
  3. 日本のキャリアを国際ローミングで使用する
の方法が考えられます.
 ちなみに私は2を選びました.
それは以下の理由からです
SIMフリー端末を持っていないので1はすぐに除外されました(ちなみにSIMフリー端末を保持している場合これが一番廉価)
国際ローミングでの通信は通話がメインではなくデータ通信がメインの私には2より高くついてしまいます.(スマフォからは乗り換えられません)
そこで私は2の選択でwi-fiスポットにもなるスマフォを選択しました.
現在のメールアドレスはgmailを利用しているので「何日まではこのアドレスに送ってください」とか言わなくてOKです.
そして,不案内かつ一人での旅路において情報源はweb情報が多いです.
そこですぐにwebに接続でき有用な情報を惜しみなく取り入れたいというわけです
またwi-fiスポットになるという事は持参のPCがネットに接続できるという事なので
普通にPCがどこでも使えるということです.
これはあまり使わない可能性が高いですが,キャンペーン中なのでついてきました(笑)
これらを占めて8日間で約11200円となります
これを高いと見るか安いと見るかは人それぞれですが同じように使って海外ローミングすると32000円となります(docomo)
SIMフリー端末を用いれば方法によっては5000円以内に収まりますが
SIMフリー端末が5万overの事を考えれば私には最適な選択でしょう.

みなさんは,このような選択肢がある事を念頭に支払い金額をシミュレートしてみると
いいかもしれません.
くれぐれも海外ローミングでのパケ死には気をつけてくださいね

2011年7月23日土曜日

国際学会への準備1

この度,M1ながら国際学会に行く事になりました.
しかも適当な国際学会じゃなくて,一応電気学会では一番でかいのに行くことになりました.
ちなみに私の研究は医工学なのですが,電気関係あるので出してみたら通ってしましました
とても緊張しています.
恐らく慣れている人はそんなに緊張しないと思います.
医学部のボスは前日から準備するおかしな人ですし・・・
でも,私は緊張しています.(重要なので2度いいました)
  1. 国内学会もこなしたことないのに突然国際学会であること
  2. 私の研究分野で最も権威のある学会であること
  3. Oral 発表であること
  4. 研究室初の学会であること
  5. 英語が全く話せないこと
適当になんでこんなに緊張しているか考えてみました.
以上に上げた点と思われます.
研究室では1期生(2つ上に以前の研究室から移ってきた先輩は居たが,今は社会人)であるために,先輩など誰の助言も得られなく誰も学会経験(国内を含む)が研究室の学生にはないためどんなものかすら知りません.
ちなみに先生は「なんとかなる」とか言ってますがorz


そこで今後の自分の為にも,これから行く人が参考にしてくれると嬉しいなという意味もこめて
少し「始めての学会(国際学会ver.)」の連続シリーズをします.
準備編,持ち物編,心の準備編,まとめ
という構成を考えて
1回目の今回は「準備編」でいきます.

  1. パスポート
  2. ビザ(ESTA)
  3. クレジットカード
  4. お金
  5. ホテル
  6. 航空券
  7. 保険
パスポートは時々海外旅行に行くので持っていました.
しかし,ない場合は作らないといけません大体1〜2週間かかります.

今回,私はボストンの学会でしたのでビザはいりませんでした.しかしそのかわりにESTAという登録が必要となります.
このESTAはクレジットカードとパスポートが無いとできませんので予め容易しておいたほうがいいですね.

海外にはクレジットカードが便利です.
特にアメリカはカード社会なのでカード一枚あると便利でしょう.
他にも,ものによったらクレジットカードに旅行保険がついてたりもしますし
空港でラウンジが使えます.
私は,父親のAMEXの家族カードと自分自身の大学系のクレジットカードがありました.

一番重要なのはお金です(笑)
1週間程度の渡航ですが総額で30万overの費用がかかります.
それを学生本人が負担するのは無理ってものですので,acceptされたらすぐに資金を補助してくれるプログラムに応募します.研究室によったら研究費から出るらしいですが私の大学ではそれは禁止されているようです.なんででしょうか?
私は,専攻の中で3人もらえるfundationから補助をもらいました.
これは渡航費と1日12000円の日当でこの中から宿泊費を出さないといけないので物価が高いとこだと大変です.私はどうやら足が出てしまいそうですが・・・
慶應に限った話ですが,KLL(慶應義塾先端研究センター)から在学中に1度だけ補助してくれるそうです.私は,研究室のボスと話した結果これからも国際学会に出る機会がありそうなのでこのプログラムは後にとっておきました.

次にホテルです.
学会は総じて都市部の中心で行われるため,宿泊費は結構かさんでしまいます.
貧乏学生は如何に安くするか(日当12000円なので)を考えた結果
ネットで格安になっているホテルを探しました.
Expedia, booking, Hotels
などを参考にし1日中探しました.
私は1ヶ月前と遅く予約しましたが,せめて2ヶ月前余裕をみて4ヶ月前に予約するといいと思います.
実際,1ヶ月前ですといいホテルは全て満室になってしまい.
遠いか,高いかの選択を迫られます.


航空券の予約は,私の大学では「生協」で予約することが勧められます.
しかし,HISなどの方が安くてちょうどいい飛行機があったりします.
決済方法を勘案した方がいいでしょう.
これは2ヶ月以上前に取っておいた方がいいらしいです.
ちなみに私は1ヶ月前とちょっと遅めでした.シーズンだとアウトになってしまうので気を付けないといけませんね.

最後に保険です.
私はカードの保険+任意の他の保険に入ろうと考えていますが
何かあった時のために入っておいたほうがいいと思いますね.

では,次回以降は
実際に持っていくものと発表の準備など
まだ行ってもいないのにまとめていこうと思います.

2011年7月18日月曜日

発電・送電事業の分離(3)-スマートグリッド

私ごとですが,国際学会にacceptされたりして
なかなか時間に追われる生活を続けています.
これから就職活動などもしなければならないなどなかなかえげつないですね.

前回からかなり時間が空いてしまいましたが
今更ながら続きを更新です.
前回の最後にスマートグリッドについて書けたらなぁ
と締めていたのでスマートグリッドについて.

スマートグリッドとはwikipwdiaが詳しく書いて居ますので
とりあえず,リンク張りました.
簡単に言えば,スマートグリッドとは「送電網自体に制御機能を付加した賢い送電網」
の事です.実はスマートグリッドという言葉自体が「バズワード」と言う「定義が曖昧」な言葉であり人によって何を示しているか異なる事が多々ある.
そこで,私のblogの中では「演算と制御」を行い「自律的な調整機能」という要件を構成するものをスマートグリッドとします.
当然送電網なので,忘れかけていたタイトル「発電・送電事業の分離」の送電事業にあたります.

まず,現在の送電網を簡単に説明するために庭に水を撒く時を例として説明する.
「発電所=水道の蛇口」で 「消費者=ホースの出口」とします.
撒きたい花壇へは離れていて一定の水圧が必要です.
普通は「水道の蛇口」と「ホースの出口」は一対一の関係ですが
これを「水道の蛇口」一つでホースを分岐させ,複数の「開閉機能付きホースの出口」を付けたとします.
この時,今の手法では「ホースの出口」の開いているところが変化すると
それに合して水道の蛇口を開閉する形を取っています.

しかし,これから「小型の水道の蛇口」かつ「不安定な水道の蛇口」という入力が接続する事になるとします.
「不安定な水道の蛇口」はそのまま「不安定な出力」になってしまいます.
しかしこの安定していない出力のせいで出口に接続しているスプリンクラーなどが壊れかねません.また「小型の入力」も系の最適化を測る時に厄介になります.今のままでは,「小型の水道の蛇口」や特に「不安定な水道の蛇口」に対して安定的な「水道の出力」が得られません.
電気の話しにもどるとこれまでは「火力」「水力」「原子力」などMW級発電所が一気に発電して,自然エネルギーはその誤差範囲で収められるぐらいのシェアでした.
しかし,これからは自然エネルギーに頼るというのが社会の大きな流れであり,上記の「小型かつ不安定な入力」をたくさん系に取り入れるべきという話です.

現在のままでは系つまり,水道の話では水道設備・電気ならば送電(and配電)設備では安定したサービスが提供できません.
そこで,その設備自体が「自律的に」水道の話しでは水圧・電気の話しならば電圧を制御するという方法があるのでは?
という発想から「スマートグリッド」という発想ができました.
これまでただの中継器だったものが「知恵」を持ったようなものです.そこで現在考えられているスマートグリッドの主な方法は,発電装置と消費装置をネットワークで接続し,消費装置によって発電装置の稼働状況を決定するのではなく.発電装置によって消費装置を制御する方法です.
その為に,正確に発電状況と消費状況を捉えるために「スマートメータ」が必須となります.
また,消費装置にはネットワーク側からの信号を受付けそして制御する.
例えば,真夏の糞暑いなかエアコンの設定温度を勝手に上げたりなど(笑)
そういう機能も含まれるでしょう.

このように送電網自体がその端にある発電・消費設備に関与することになります.
このようにすると入力により出力が決まり,不安定な入力が入ってきても出口側で操作する事になります.

それが主なコンセプトになりますが
次回は,それ以外の応用例などを紹介したいと思います.

注)今回は,書く日が数回に分かれているためよくわからない文章になっているかと思いますが,ご容赦ください.

2011年5月28日土曜日

発電・送電事業の分離(3)-メリットの検証2-

他のブログに紹介されてトラフィックが急増してびっくりしました.
ありがたいのですが,稚拙な文章で申し訳ないです.

前々回前回では概要とそのメリットについての考察(前半:特に市場原理に寄る電気代金の値下がり)についてやりました.
前回はテンションが上がりすぎて一つの事しか書けませんでしたが
今回は
・再生可能エネルギーの普及促進
・発電地域へ正統な対価が支払われる(地域型発電会社)
・参入障壁の低下(発電事業は参入障壁が低い)
・電力会社と政治・官僚機構・マスコミとの癒着の防止(電力会社が巨大な力を持たない)
について考えてみました.

【再生可能エネルギーの普及促進】
まず,結論から言いますと.
発送電分離から「再生可能エネルギー」が普及促進になるかと言えばNOです.
それは何故か・・・・
市場原理にて再生可能エネルギーを普及させるためには
「経済効率性」又は「付加価値性」が現存の発電方法が上回ることです.
色々な機関が統計を出して各々の電力料金を算出していますが再生可能エネルギーは補助金なしでは既存の発電方法には勝てません.なので「付加価値性」については「高くても再生可能エネルギーを使いたい」と思う人の数ですが,電気についてはそれ自体の「質」は変わらないので(配電される電気の事)ただ「エコロジー精神」が「経済意識」を超えた時にしかその「付加価値性」は発揮されません.そしてそれが人口の大多数を占めるのも難しいでしょう.
しかしながら電力の自由化がなされた後,再生可能エネルギーが普及した国として「スペイン・ドイツ」が挙げられます.この国がどうして再生可能エネルギー普及したか
それは電力の自由化ではなく「全量買い取り制度」を初めとする「環境政策」にて普及していると考えられます.
つまり,再生可能エネルギーが普及するためには「発送電分離」は関係なく「環境政策」にて左右される.
ただ,発送電分離をすることにより「環境政策」がスムーズに行える面はあるでしょう.

【発電地域へ正統な対価が支払われる】
「正統な対価」の定義が曖昧ですが「発電した電気の売上すべてがその地域の所管する事ができると」考えてみます.
そして,この発想は発電所を地域の自治体や地元企業が運営することにより,利益を都市部の企業に移転されることなく全て地元に利益が落ちるというところからでてきます.
これは,地元企業や自治体にその発電所を運営する「能力」があれば恐らくそのとおりになるが
その設備を活用する事が出来る自治体や地元企業がどこの地域にもあるとは考えにくいです.
なので,全国画一的に言える事柄ではないが
条件を満たせば「発電地域へ正統な対価が支払われる」といえます.


【参入障壁の低下(発電事業は参入障壁が低い)】
現在の日本では高電圧部分については電力の自由化がされています.
では,それがどの程度の割合かと言うと日本の総電力使用量の63%が電力自由化の対象となっております.
しかしながら,高電圧で安定性のある電力供給が現在のところ求められていることから必然的に大規模な発電所が求められその結果
鉄鋼メーカ・石油メーカなどのインフラ・人材・資金ある会社のみの参入になっています.
また現在のところ政府の環境政策がわからないなどを考えた場合はIPP(電気卸売業者)としての参入は旨みが少ないものと思われます. (低コストを実現した火力に対して重い税金をかけられる可能性や環境アセスメントの厳重化など)
しかしながら,電力の自由化が完全に行えれば低電圧部分,つまり小規模商店や一般家庭に対する電力供給の電力の自由化が進めば
分散型や小型の太陽光や風力の電力会社が誕生する余地はあるでしょう.
しかしながら,大きな盲点としては「電力の安定供給」でありそれを実現するには抜本的な「送電・配電網」の取り替えが必要となるでしょう.(再生可能エネルギーは概して不安定)
このようなコストを新規参入業者が払うのか税金で賄うのか問題がありますが
現在の状況で電力の完全自由化しても状況は大して変わらないが,政策的に進めて行けば十分参入障壁の低下は考えられる.

【電力会社と政治・官僚機構・マスコミとの癒着の防止(電力会社が巨大な力を持たない)】
これについてが現在の議論の中で最もウェイトが置かれている部分と思われ(国民感情的に),このような動機は不順であるという意見が経団連の会長から発言がありました.
今までは,コストや環境などの事を言っていたのだが突然「政治」がからみ
「政治」の為に「民間業者」が分解されるというのは,資本主義の国としては些か疑問を感じます.しかしそのような私信はおいておいて
発送電の分離で実際に「政治・官僚機構」そして「マスコミ」との癒着が防げるのだろうか.
このような癒着で問題となるのは,電力会社を監督する役割を持つ国とマスコミがタッグを組んでしまうことで電力会社に利益誘導されそれが市民に目につくことにならず.
さらに,安全性などの監督が甘くなる.という問題だと思います.
この力の源泉としては,やはり「莫大な金」です.
政治に対しては「献金」
官僚機構に対しては「天下り」
マスコミに対しては「スポンサー」
として,力を行使しその大きな力の源泉となる金の出元が
「規制業界」
という国の法令によって守られた限りなく高い参入障壁を持った市場を独占していることでしょう.
正直,発送電分離や電力会社の解体をしたからといってこれらの問題が片付くわけでもないと思っています.
ここで変わらなければならないのは「電力業界」だけではなく「国・行政」「マスコミ」全てが変わらないといけないんだと思いますね.
この問題は定量的な考えができないので私は苦手です.

消化不良の面も否めませんが,とりあえずは発送電分離の概要・メリットの検証についてはここで終わります.
次は発送電分離と共に語られる「スマートグリッド」とかそのへんを書けたらなあと思いあます.

今日は我が母校っていうか,在学校の野球の試合
是非ともW大学に勝って優勝を決めてもらいたいです.

2011年5月19日木曜日

発電・送電事業の分離(2)

前回は発送電事業の分離について「概要」を説明しました.
今回は「一般的にあるメリットの妥当性」についてです.
では前回のおさらいで「一般的な主張にあるメリットです」

【メリット】
・自由競争による電気料金の値下げ(日本の電気料金は世界一高い)
・再生可能エネルギーの普及促進
・発電地域へ正統な対価が支払われる(地域型発電会社)
・参入障壁の低下(発電事業は参入障壁が低い)
・電力会社と政治との癒着の防止(電力会社が巨大な力を持たない)

他にも「メリット」ありそうですが
これを一つ一つ今回・次回で考えてみましょう.

【自由競争による電気料金の値下げ(日本の電気料金は世界一高い)】
まず,最初に「日本の電気料金は世界一高い」 の主張は間違っていると断言しましょう.
資源エネルギー庁の「資源エネルギー白書」です.
これ見てわかるように
日本は決して電気代が高いわけではないです.
では,「自由競争による電気料金の値下げ」
です.

どうして自由競争になると値段がさがるのか・・・
子供向けですがこのサイトはなかなか分かりやすいです.(まな@ぼう)
つまり,発電会社が価格競争を行って値段が下がる.
つまるところの「市場原理」ですね.

これが果たして「発電事業」にあてはまるか
発送電を行った国はいくつかありますが,そのモデルケースを考えてみます.

イギリスの発送電分離
英国では,サッチャー政権下で,徹底した電力自由化が,いちはやく実施された.
イングランド・ウェールズてでは,国有電力会社が1990 年に,発電会社 3 社と送電会社 1 社に分割・ 民営化(所有分離)され,発電市場かが自由化された.
小売市場では,独占的に電力供給してきた国有の12の配電局かが民営化され,新規参入が認められるようになった.
1999年までに,全ての需要家が供給事業者を選択できるようになった.しかし制度上一部の発電事業者が市場支配力を行使できるなど,欠陥が存在していたため電気料金が下げ止まり値上げを始めた,そこで2001年に新制度がスタートした.
しかしながら状況は芳しくなく2005年には,発電設備の効率的利用を促して、英国全域での料金引き下げを図るため、供給余力の あるスコットランド市場と、需給が逼迫するイングランド・ウェールズ市場が統合された.

ドイツの電力自由化
ドイツでは,1998年に電力市場が全面自由化されました.導入直後は1~2割の料金値下げされドイツの電力自由化は, 諸外国から成功例として取り上げられた.
しかし,2000年ごろから電力会社間の合併により電力市場の寡占化がおこり,料金は徐々に上昇し始めました.現在は新エネルギーの導入など高コスト発電の導入などにより先進国中では比較的高い電力料金となってます.

アメリカの電力危機
アメリカでは1978年から段階的に電力市場の開放が行われ,1990年代には完全な電力市場の開放が行われました.
しかしながら,この市場は電力を如何に「高く売るか」に焦点が置かれており(当然だが).電力は高騰し行政が規制をかけることにした.
すると小さい電力会社は財政危機に陥って,電力市場で調達できない場合は停電が起こることも度々あった.当時カルフォルニアではシリコンバレーを中心情報産業で好景気であり電力需要は勢い良く伸びて行った.そこで電力供給が逼迫してきたため再び規制緩和をした結果さらに電力料金が上がりカルフォルニアでは家賃より電力料金の方が高いという事態が度々起きることになる.
電力は卸売市場からそのまま利用者の電力使用料に反映できたため,電気会社はあえて電力を逼迫させていた面があった(エンロンなど).
このような事からカルフォルニアは大きな電力危機に陥ったのである.

これらの結果は発送電の分離と電力自由化から(特に市場原理に頼っている)導かれたのは
「自由化すると電気料金が下がる」
という議論は正しくはないと思われます.

【まとめ】
・日本は元々電力料金が高いとはいえない
・市場原理を取り入れる事により電力料金が下がるというというのは幻想であり,制度設計によっては電力供給の不安定化や電気料金の高騰をまねく

2011年5月14日土曜日

発電・送電事業の分離(1)-概要

東電が大変な事になり
中電も無用な損害を受けている気がしなくもない今日この頃
最近「発電・送電」事業の分離について盛んに取り上げられています.
それとセットで地域独占の電力会社の体制改革も叫ばれています.
mixiやBlogなどでは玉虫色の話しですが本当にそうなのだろうかという事
を中心に考えて行こうかと思います.

まとめていたら結構な情報量になったので数回にわけてやろうかなって思います.

【発送電事業の分離の概要】
字のごとく「発電事業」「送電事業」の分離です.
現在日本国内では発電所と電柱などの送電設備が地域独占業者にて一括管理されています.
その業務を分けてしまおう.という話しです.
一つのものを多数にわける事によってどんなメリットあるの?って思いますよね?
では実際に発送電を分離したらどのようになるのかシュミレートした後
ネット上にある主張を上げてみます.

【発送電事業の分離をすることでどのような生活になるのか】
発送電事業の分割の最大の特徴は
一緒に導入されると思われる「電力の自由化」でしょう
つまり
・使用する電気を選べる
という事です.

もし「私は再生可能エネルギーしか使いたくない」と思えば
その「再生可能エネルギー専門」の発電会社から買えばよいし
「安いエネルギーがいい」と思えば「石炭火力」から買えばいい
「高品質(安定供給的な意味)」だったら「原子力」から買えばいい

今まで「ベストミックス」されてた電気を使っていたが
その個人の「環境意識」「理念」「コスト意識」などを勘案してできるという訳です.

うん・・・
だから何?って感じですね

では,それに付帯すると思われるメリット(こちらが本論かな?)をあげてみます.
しかし,今から上げるのは「ネット上・マスコミ」が上げるメリットです.

【メリット】
・自由競争による電気料金の値下げ(日本の電気料金は世界一高い)
・再生可能エネルギーの普及促進
・発電地域へ正統な対価が支払われる(地域型発電会社)
・参入障壁の低下(発電事業は参入障壁が低い)
・電力会社と政治との癒着の防止(電力会社が巨大な力を持たない)

などがあります.
ちなみにこれらはすべて「一般的に言われている事」です.
真偽は今後のblogで検証していきます.

じゃぁデメリットは?
【デメリット】
・ない

というのが一般的な「発送電分離推進者」の主張です.
もうこりゃ,分離するしかないですねw


ではでは,今回はこの辺で
今回は概要だけなので物足りなかったかもしれませんが・・・

次回からはもう少し踏み込んで,
・これらの主張が正しいか
・そもそも前提条件はどうなのか
・発送電を効率よくするための技術(スマートグリッド・スマートメータなど)
・社会的にどんな変化が訪れるか
とかやっていけたらなぁって思います.

2011年5月8日日曜日

科学技術論(リスクマネジメント2)

前回はリスクマネジメントの中のリスク分析について考えました.
今回はリスクマネジメントの中のリスク管理について考えてみます.
特にリスク管理のプロセスの中のリスクアセスメントにフォーカスを当ててみます.

【リスクアセスメント】
リスクの大きさを評価し,許容できるものか否かを決定するプロセス

特に以下のようなプロセスを踏む
1.リスク因子により財務基盤にどのような悪影響を及ぼすか
2.それによりどのリスク因子から対処をしていくか
3.リスク対処のパフォーマンスを財務基盤への影響を考え検討する

またリスク管理において重要な概念である
「固有リスク」「統制リスク」「派生リスク」「発見リスク」
も考えなければいけない.
まず固有リスクとは「それ事態がはらんでいるリスク」であり
統制リスクは「統制活動によって固有リスクを防止できないリスク」
派生リスクは「あるリスクにより発生する他のリスク」
発見リスクは「固有リスク自体の発見をできないリスク」
である.

まず,再び旬な原発関連で話しを進めていくとします.
固有リスクとして最初に「津波による予備電源の損失」とします.
そうしますとまず,リスク回避策として「防潮堤の設置」が施されます.
しかし,統制リスクには「防潮堤により津波が回避できない場合」が挙げられます.
その後派生リスクとして「循環器系の停止」となりさらに派生リスクとして「炉内圧力上昇」→派生リスク「炉の暴走」→・・・・→派生リスク「炉の爆発」
などなど派生リスクの連なりでハザードに繋がるという考え方をします.
ちなみに考え方で派生リスクが固有リスクになるのは用意に理解できると思います.

このようにして,大事故は小さなリスクの連なりから発生している
そしてそのリスクの連鎖をどこで止めるかがリスク管理の真髄となるでしょう.

このリスク管理の段階では,とりあえず出されるだけ出す「リスク」を評価します.
それは「核爆発」から「階段をこける」レベルまで評価される事もある.
つまり「階段をこけなければ核爆発は防げた」という論理展開が出来るのがリスク管理です.
だからと言って,「階段をこける」というものを防ぐ必要があるのか.
防げるがあまりにもコストがかかる場合は・・・などなど出てきます.
その時に関するのが「許容リスク」です.

この「許容リスク」は「存在するリスクを放置し,ハザードとなってもそれを許容できるリスク」
という意味です.
なぜならば次の派生リスクに連鎖する確立が低くさらに,リスクがハザードとなっても許容できるレベルの損害リスクと財務基盤を持っている.からです.
つまりリスクは放置される事もあるというのが事実でしょう.

つまり,リスク管理とは前回もいいましたが「リスクを回避する」「リスクを低減する」を同時に行うものです.
ハザードを「許容リスク」まで低減させるという認識が必要です.

これらを踏まえて,現在の原発で問題となるのは
・原子力事故は「起きない」という前提
・確率という概念が日本人には馴染みが薄い
のとなるでしょう.

まず,原子力事故は「起きない」という前提でなければ
原子力反対派から強烈な批判をうけてしまう.
また事故の確率が数千年に1度といっても
「明日起きる可能性がある」と言ったらそれは「事実」であるため
一般市民や偉い人は必要以上に不安に感じてしまう.
そのため,リスク管理について十分行われていたのかと聞かれれば
NOでしょう.

このようにして,電力業者は甘い見積もりしかすることが出来ず
許容リスクをはるかに超えたハザードを引き起こす,派生リスクを抑えることもできない
さらに「原子力事故は起きない」という前提のために
「原子力事故」は「想定外」のものとなってしまったと結論づけられる.

リスクが無いと言えば,国民も安心する
反原発派の理論を抑えることが出来る
何かあれば「想定外」として片付ける

このような流れが問題だと考えられます.

実は,同じ理論が米国でも行われており
それが日本と同じように原子力事故(スリーマイル島事故)でおいて問われ
米国ではその後この「リスクマネジメント」について活発に議論されるようになり
現在に至ります.そのため米国の原子力事故におけるリスクマネジメントは非常に優れたものとなっており
航空機テロで原子力設備が攻撃された場合も想定され
事故が起きた時はどのように市民を非難させ,自由を制限する法整備も行われております.
それは,事故の結果と言われております.


【まとめ】
重大な「派生リスク」を抑えるための「リスク回避」も重要だが発生したリスクを最小限に抑える「リスク低減」も重要である.
そのため,「リスク発生」がないという想定は間違っている.

再びリスクマネジメントが原子力事故の説明になって
本論を語りつくせてない気がしますが
これで終わります.

2011年4月29日金曜日

科学技術論(リスクマネジメント1)

最近,ようやく自分がどんな事が合っているのかわかり初めて来ました.
結局エンジニア気質ってのは変わりません.
しかしプラスしてアントレプレナーとしても出来たらと思います.
恐らく3年生の時みたいにショットガンのように外銀うけて選考辞退とか
コンサル受けて当日ぶっちみたいな事はないと思います.
私事はこのぐらいで

震災や原発事故など混乱を極めている状況で
科学技術に対するリスクマネジメントがよく話されています.
確かに,このような状況に関して科学技術に対するリスクマネジメントが声高に叫ばれるのですが
「リスクマネジメント」って何かってのを理解していない人が多いかと思います

【リスクマネジメントとは】
リスクを組織としてマネジメントして,ハザードや損失を回避もしくは低減する.by wikipedia
つまり「リスクマネジメント」は二つのGoalしかありません
・ハザードの回避
・ハザードの低減

この事を忘れてはいけません.

【リスクマネジメントのプロセス】
授業や教科書レベルの事しかわかりませんが
大きなフレームワークとして

リスク分析(リスク因子の評価・定量化)

リスクアセスメント(リスク回避の評価・定量化)

リスクファイナンス(リスク顕在時における財務的評価)

意思決定

実行

てな感じでしょう.
今日は「リスク分析」について簡単に触れます

【リスク分析】

1.どのようなリスク因子(リスクファクター)が存在するのかを調査確認し、特定識別する。
2.そのようなリスク因子がどれくらいの頻度で発生するのか分析評価する。
3.また、そのようなリスク因子によりどの程度の損失を被る虞があるのか分析評価する。

がリスク分析のプロセスになります.
すべてがリスクマネジメントのベースと成りえるため慎重に行われるべきものです.
今回の原子力事故のように発生度は低いが大きな災害を引き起こす物と半導体における不良ロットのように発生頻度は高いが影響が限定的なもの
でも扱いが全く異なります.

例として旬なものとして,原子力事故について
現在のMarkⅡ型原子炉の炉心損傷の確率は1×10-7炉/年 であると計算され
それが,現在の原子力行政のリスク評価になってます.(出典:原子力システムニュースVol.15,No.4(2005.3)
つまり,1炉あたり10^7年・・・10000000年に一回しか炉心損傷リスクは無いと計算されておりました.
そのリスクにおける電力会社の損失は5000~6000億とされています.
その計算によると,1炉あたりの1年間損害リスク期待値は6万円となり
期待値としてはなかなかよいと思われます.

一方,半導体の不良品率・・・一般的には歩留まり率と言われますが
初期pentium4の時代には50ppmという報告があります.
つまり2万分の1個のダイが不良品となっている結果です.
pentium4の製造原価は50$(原材料なのか人件費こみなのか,開発が入っているかは謎)であり,最盛期のpentium4出荷台数は6000万から
損失としては1300万円(1$=90円)として計算されます.
この計算ではリコールやその他の賠償リスクなどは計算していませんのでかなり低く見積もられていますが・・・
それでも,原発のリスクがかなり低く見積もられているように感じます.

このように
原子力リスク1炉あたり年6万
世界最大の半導体企業の製品の不良リスクは年で1300万
かなり差があるように感じます.
実際のところはどうでしょうか.

原子力の炉心融解リスクとして1炉あたり5000~6000億という事を考えると
4基のロストから損害額が2兆~2,4兆円と計算されるのは至極妥当であり
リスク発生の計算も世界中のMarkⅡ型原子炉の個数と運用年数から間違っているとは言い難いのが現実です.
しかし,このような計算をしても何かしっくりこないと思います.

それは何故か・・・
発生率が極端に低いが.一度起こすとあまりのも大きな災害を引き起こすもの
に関しては,統計以外の心理的要因を含めたリスク計算が必要
という説が有力となってきている(リスク計算の先生談)
らしいです.

つまり,その極端に低い確率を「絶対に起きない」と認識している事が間違いであり
その為に対する・・・
「年6万」のリスクを「年0」のリスクとして捉えている事に問題があったと考えられています.
そのために現在のリスク管理においてはそのような認識を改めるために
あえて発生リスクを高めに見積もる
という考えが出てきました.
それは,発生しうるリスクとして「認識」させる事につながります.

以上のように発生リスクが高いものと低いものとではリスク分析の手法を変える
という事が必要となってきていると考えられます.
しかし,このような事は数学的・科学的の裏付けはない事から
なかなか実際のリスク分析には採用されていないのが現状みたいです(先ほどの先生談)

【まとめ】
リスク分析においては発生確率によって手法を変える学説が出てきている.
現状では受け入れられていない


ふぅ・・・・ちょっと疲れて
最後の方は適当になってきてしまいましたw
気が向いたら続きを書きます

2011年4月23日土曜日

科学技術論(はやぶさ編)

本日,私の大学で
JAXAのはやぶさプロジェクトのプロジェクトリーダーである
川口淳一郎さん
の講演会がありました.

はやぶさは知っている人も多いでしょうが
幾多の困難を超えて地球へイトカワの岩石サンプルを持ってきました.
そのあたりの事はwikipediaやニコニコ動画の方が詳しいので
そちらに譲るとします.

今回の講演会では講演者の卓越したリーダシップと
組織論や科学技術への考え方に衝撃を受けました.

川口さんは非常にユーモラスな方であり
とても話しを分かりやすく,面白く説明し
所々,政治ネタや宗教タブーを匂わせたりしてました

という事で少し,はやぶさの意義とかを聞いた感じのをまとめてみます.
【なんのためのはやぶさか】
はやぶさは小惑星のサンプルを持ち帰るのが最大の目的
小惑星は地球の中身を知る上で非常に有用な資料であり,地球の中身をより詳細に知ることで災害対策にもなる.
また,はやぶさ自身がイオンエンジン,イオンエンジンを利用した地球スイングバイ,小惑星への接近飛行制御などなど様々な技術的な実証実験を兼ねています.
むしろ,はやぶさプロジェクトはこれらの実験が主であったとも言われています.

【川口さんの科学への考え方のもと】
川口さんのボスの言葉ですごい共感できました.
「見えるものはすべて過去のものである」
「これまで学んだものはみな練習問題」
また,川口さんのことば?で印象に残った物
「技術より根性」
「運を実力に変える運動」
「アイディアでイノベーションを起こす」
「高い塔をたててみなければ新たな地平線は見えない」

【科学が科学を御する】
昨今の原子力事故についても見解を述べてました.
宇宙開発については失敗は許されないのは原子力事故についても同じだが
違うのはバックアップの仕方が宇宙開発の方が多重的に考えられている
最も重要なのは「技術に対して過信しない」という点でしょう

私から見たら結果論でしかないのだが
宇宙開発はエンジニアとサイエンティストだけで構成されるが
商用原子力に関してはテクニシャンが主な活動となる
語弊があるかもしれないがテクニシャンは新たな考え方ができるものではなく
マニュアルに乗っている事を忠実にやるため.予想外の事に対応できない
などという,商用化して研究段階を超えたからこその問題があったのではないかと考えたりする.

【2代目文化】
これも原子力にも言えたことだが
「2代目が1代目を超える」環境でないといけないという事である
2代目が1代目を超えるためには,既存の方法への「盲目的信用」をしデザインポリシーなどを理解していない点があり
能動的に考えなくても仕事をこなせてしまう
ただ,その技術を前身させるためにはデザインポリシーを理解し,使われていた技術を疑い再構成する視点がないといけない.
また,福島第一の壱号機はGEの原子炉をアメリカ仕様そのままでコピーして作ったため
対策が何もなされていなかった.
電源の多重化や高度化は少しのアイディアで出てきたはずなのが悲しい

何事にも「なぜ?」が必要であり
そのなぜ?を解決するには「現場」に足を運び「手」を動かすしかない
ほんとにそのとおりだとしか言えない

【1番ではないとだめ】
科学技術は「ローコストミドルリターン」を得る政策とはほど遠い存在であり
継続した豊富な資金が必要である.
また,技術の世界では1位以外は意味がなく
一番でないといけない.
「耳なしのせんべいをつくるな」
というありがたいお言葉

【政治関係】
政治家の目的は次回の選挙で勝つことであり
10年スパンでしか成果のでない科学技術特に宇宙開発には厳しい状況だ
日本がプレゼンスを保つためには,技術で走っていかないといけないが
その技術のブレークスルーも豊富な資金があって初めて可能である事をかんがえると
日本が変わるためには政治が変わる必要がある

【まとめ】
技術発展にはアイディアでイノベーションを起こすしかない
そのアイディアも現場で手を動かすことでしか得られない
マイノリティのかんがえ方ではなく「天邪鬼」であるべき

【ちなみに宇宙技術】
日本は宇宙開発はしてるが決して「大国」でもなければ「先進国」ではなく
宇宙技術に関しては「東洋の1島国」でしかなく「信用」はない
中国の宇宙技術の方が高く有人飛行をしている
だからといって日本が有人飛行をする必要はない.
そもそも,未だにロケットでしばりつけて宇宙に飛ばすなんて
まだまだ宇宙開発にはブレークスルーが起きていなく,ロケット以外のものを開発する必要があり
それが次世代の概念を作る.

色々,ためになる話しを聞いたのだが
上手くまとめられないのが悔しい・・・

2011年4月16日土曜日

IPアドレス枯渇

ついにIPアドレスの枯渇が近づいてきました.
石油みたいにある「なくなるなくなる詐欺」ではなくてほんとに枯渇です.
http://www.nikkei.com/tech/business/article/g=96958A9C93819499E0EAE2E2838DE0EAE2E1E0E2E3E3E2E2E2E2E2E2;p=9694E3EAE3E0E0E2E2EBE0E7EBEB

研究室でネットワーク系の管理している手前
知ってる事や調べたことをまとめてみました.

【IPアドレス】
時々(192.168.1.1)みたいなのがネット上で出てきますがそれがIPアドレスです.
IPアドレスはパソコンの住所と言われており,ネットワーク上ではこのIPアドレスを辿って目当てのPCにアクセスしてます.
このIPアドレスにはプロトコルの違いでIPv4,IPv6があり,現在主に用いられているのはIPv4の方であり,問題になっているのもIPv4です.

【プロトコル】
プロトコルとは「きまり」の事です.
生体系の実験をしているとその実験で用いる細胞や組織に対して行う処置などを「プロトコル」と呼びますが「きまり」という意味では同じですね.
インターネットでは「パケット」というデータを塊にして送信しますが,そのデータの中のどこの部分にどのような情報を入れているかの「きまり」をみんなが共有しているという事です.

【IPアドレスの数】
理論的にはIPアドレスの数はIPv4は232=4,294,967,296 約43億個あり,
一方IPv6は2128=3.40282367 × 1038 約340澗(かん)個あります.
なぜこの数なのかは他の説明に譲るとして,IPv4だけでも大量ありますがIPv6の方はもう何がなんだかわからなぐらいあります.
具体的にはIPv4の方は世界の全体で考えて将来的に2人で一つを共有するぐらいですが
IPv6の方は,地球上の小石一つ一つに割り当てても十分なほどありあます(地球上の小石の数は知りませんがw)このぐらいあればもう不足すること無いでしょうって事でIPv6が現在導入が進められています.


【どうして枯渇するのか】
IPv4は二人に一つ割り当てるぐらいですが,全世界でパソコンは二人に1台もありませんね?しかも,ネットワークに繋げられていないPCもたくさんあるように思います.
しかしながら,身の回りにはPC以外にもネットワークに繋がっているデバイスは多くあります.携帯電話やATM(専用回線も多いから必ずしもではないが)などなどです.
そう考えると一人一つ与えられてすらいないものを日本だけでも一人当たり何個も使っている事がわかりますね.


【枯渇を遅らせるために】
今まで枯渇を遅らせるために様々な手法が取られてきました.
一般的に知られているのが「一つのアドレスを多くの人で共有」「使ってないアドレス代わる代わる使う」方法でしょう.
もし,今使ってるネットワークが「固定IP」というプランでなければ後者を用いて
さらに家庭内LANでDSやipodtouchやPCをつかっていれば前者も使っているでしょう.
このようにして一つのアドレスを効率的に複数台のデバイスで共有してきました.
このようにして当初は1990年代に枯渇されると予測されていたのものを2010年代まで伸ばしました.これはすごい事ですね.

【直ちに影響はない】
枯渇してもただちに影響はないって言われていますね.
これは「末端ユーザ」には影響はないって話しであり
事業者ではこのIPアドレスの争奪戦が今現在も繰り広げられています.
ネットワークがこれ以上便利なサービスを提供できないって意味もありますし
新規ユーザがネットワークに入れないなど発展性には致命的な問題が山積みで
このままでいいってわけではありません

【具体的にどうなるか】
しばらくはそのままでいいでしょう.
IPv4とIPv6には互換性の無いためにIPv4とIPv6のネットワークは特別な装置を使わないと
接続ができません.
将来的にはIPv6に完全移行しなければならないが,IPv6には現在魅力的なサービスもなく
ユーザも少ないことからなかなか事業者の移行が進んでいません.
でも,これからは否が応にも事業者からIPv6に移行していきそうですね.
上記に互換性が無いために事業者の準備ができ次第PCなどをアップデートなどしないといけなくなるでしょう.ルータやスイッチングハブなどは買い替えをしないといけなくなるかもしれません.
ただ,現在売られているルータやスイッチングハブはこの事を見越してIPv6に対応しているものが多いので買うときに考慮するといいかもしれません.
対応していないOSはネットワークからはじかれると思います.恐らくWin系ではWin98以前は恐らく対応しないでしょうね.そうなるとスタンドアロンでの使用か買い替えかが迫られます.

【IPv6に変わるとどうなるか】
どうしたらいいのかは上で書きましたが,どうなるかってのも気になります.
IPv6の良さはその圧倒的なアドレス空間です.
小石一個一個に割り当てても余るほどならば,身の回りのデバイスがすべてネットワークにつなぐ事ができます.
そうなると炊飯器や洗濯機その他デバイスなんでも外部からの操作ができるようになります.
また家の中だけではなく,医療器具に取り付ければネットワークで常に身障者のバイアルがトレースできます.データあれはリアルタイムアナライズもできる
家の製品の操作自体を全部他社に任せるというサービスもあるかもしれません.
現在思いつかないようなサービスがきっと提供されることとなり,一気に市民生活は変わるものと思います.




今回は若干長かったですが
書いててテンションが上がってしましました.
ネットワークやコンピュータサイエンスの分野はまだまだ発展しそうですね

2011年4月9日土曜日

放射線が人体に与える影響(3)

研究室の研究提案などてんてこ舞い状態から一服
まだまだ2年は長いと思いつつ出来ることはやろうと思う毎日です。

今回は「放射線はつまるところ安全か?」
について書こうと思います。

ちなみに私の情報のソースは放射線生理学などの医学方面からなので現在のセンセーショナルな市井感情とは違う俯瞰的なものを書きたいと思います。

【7】一般人への急性放射線障害(内部被曝編)
前回、一般人は外部被曝からの急性放射線障害についてまったく心配がいらないと言いました。
しかし内部被曝には注視する必要があるかもしれません。
内部被曝とは放射性物質を体内に取り込むことで内側から放射線を受けることでしたね。
外部被曝より内部被曝の方が注意しないといけないことも前回言いました。
では、内部被曝はどの程度でまずいのか・・・・
この辺は諸説ありますが、定性的な事実として
・妊婦(妊娠の可能性のある女性)
・乳幼児
が特に気をつけないといけません。
なぜならば、成長過程にある個体ほど放射線の影響を受けやすいことがわかっているからです。
端的に言えば「細胞分裂の激しい」「影響の出た細胞が分裂しうる」人たちが影響が大きいのです。
妊婦に関しては母体がまずいのではなく、中にいる胎児に対して影響が出てきます。
特に受精直後の胚の状態ではわずかな放射線で着床を阻害したり、最悪な場合は奇形児などを出産することになってしまいます。

しかし、それ以外の人
特に壮年期以上の人たちは放射性物質に対する耐性は強いといえます。
原発や原子爆弾などで問題となる放射性物質はヨウ素でヨウ素は甲状腺に集まる性質がる事は前回言いました。
そこで重要なのは、甲状腺の働きです。
甲状腺は代謝を司る器官であり、活動が比較的活発なのは30代までといわれています。
それ以降の人たちは一時的な放射性同位体のヨウ素を摂取しても影響は小さく。さらに日本人自体が慢性的なヨウ素過剰摂取状態であるためヨウ素の吸収量は少ないといえます。
しかし、これは一時的なヨウ素摂取の場合で慢性的摂取には注意を払うのがベストかと思います。

ただ、学問的には壮年期以降の人間に対する放射性同位体のヨウ素摂取による甲状腺がんリスクが有意に増加する結果は存在しないので、必要以上な反応はする必要はないでしょう。

【8】生物濃縮
巷では「いくら薄い放射性物質を流しても生物濃縮で高濃度放射線になる」という意見があります。
その上で生物濃縮について知っておく必要があります。
生物濃縮は。食物連鎖の過程を繰り返すうち、上位捕食者ほど体内での対象化学物質濃度が上昇する。(ウィキペディア)
というもので、実はふぐ毒なども生物濃縮で得られた毒性です。
しかし、この生物濃縮は摂取する対象物質が排出される量より少ない場合におこり、尿などの対外排出機能により排出されにくい疎水性(溶けにくい)物質が大きく影響します。
ここで問題になるヨウ素は親水性(水に溶けやすい)物質であり、生物濃縮の影響は小さくなります。
ただ、もとの摂取する量が多すぎると排出が追いつかない場合がありそれが問題となりえるでしょう。
また放射性ヨウ素は半減期が8日から生物濃縮というより生態系で上位捕食者にいくまでになくなっている割合も多くなります。
ニュースで話題になったのは「小女子」で下位捕食者であるがゆえに放射性ヨウ素が多く検出されたのでしょう。

確かに、放射性物質が垂れ流された現状から海洋資源を摂取するのはためらわれます。
市場に流通している海洋資源は基準値がクリアしたものであるため危険視する必要はないと思われます。

【9】端的に言えば現在安全といえるか(まとめ)
最後にまとめに入ります。
一番気になるのは「安全」についてです。
安全の証明は悪魔の証明を同じで、証明することは不可能と言えるでしょう。
そこでこれまで人間は「安全の基準」というものを概念的に設定し、この「基準」を下回れば安全と認識してきました。
しかし、その安全の基準は「核」に関して特に厳しいハードルを設けられ
それに応えるために「誇張」した「安全」を主張してきました。
そしてそれが裏切られたための混乱ということができると思います。
ただ、現在の政府が主張している事は「医学的」「生理学」的には全うな事を言っており
「有意」な差が出ない値を「閾値」として設定して基準値としてます。
私は、基準値を超えていないものを摂取しても「疾病リスク」が高まるとは認識していません。
もし、がんになったらそれはその食材を摂取していなくてもがんになったのでしょう。
それが統計上「有意」の示すことだから。

3回続けて書いてて
「政治」「行政」「企業」に対する事はまったく書いていなく、なるべく客観的事実と科学的(特に医学・放射線生理学的見地)に徹しました。
政治・行政・企業に対して「不信」が募っているのが現在の混乱の引き金になっていると思っています。
反原発運動をするのも結構ですが、そのような人たちを含め日本人が「賢い国民」になることを私は一番望みます。


The ignorance of one voter in a democracy impairs the security of all.
「一人の有権者が民主主義に対して無知であることは、あらゆる安全を低下させる。」
-John F. Kennedy

2011年4月4日月曜日

放射線が人体に与える影響(2)

こんばんわ
昨日(1)って書いたのでその(2)を書きます.

昨日は
1.放射線は細胞異常をきたす
2.遺伝子異常は癌を誘発する
3.内部被曝と外部被ばく
について話しました.

では早速続きを書いていきます.

4.癌以外の放射線が誘発する障害
放射線は癌以外に人体に対して悪影響を与えると言われてます.
実際に東海村のJOC臨界事故(1999)では死者が2人でました.
それは,当然ながらガンではなく急性放射線障害というものです.
この事故についてのレポートを読んだことがありますが,事故当日は吐き気と意識障害だけでしたが
日に日に病状が悪化していき,皮膚がただれ皮膚移植するも定着せず苦しみながら死に至りました.
その時,腸を主に内臓がただれていたと言われています.
これらは中性子線などの放射線が細胞の染色体を一気に壊したことが原因です.
前回話したように,染色体異常が発生すると細胞は増殖をやめ死滅します.
このシステムは多くの細胞が正常で少数の細胞がアポトーシスを起こす場合には有効です.
しかし,体全体の細胞の染色体が破壊されたらどうなるか・・・・
そう,体全体の細胞が死滅していくのです.
ここまで多くの放射線を被ってしまったJOCの犠牲者は稀なケースですが
放射線を一度に多く浴びることにより,似たような症状が出ます.
特に,増殖の激しい造血幹細胞や腸幹細胞,胚・・・意外と毛根も影響をうけます.
そのため放射線を浴びると一時的な嘔吐感や白血球やリンパ球の現象,脱毛などの症状がでます.
ただ,これらの症状は正常な生理作用であり時間が経てば元に戻ります.
一度に放射線を浴びて重篤な症状になるのは稀です(臨界現場の近くに居合わすなど)
故に,一般人が外部被ばくによる急性放射線障害を気にする必要全くありません.
内部被曝についてはまた書こうかと思います.

5.放射線にまつわる単位
順番が謎ですが今更単位の話です.
放射線の単位にはたくさんありますが,市民権を得たと思われる単位は
[Gy]グレイ[Sv]シーベルト[Bq]ベクレル
があると思います.
これらは互換の関係にあるかと思われがちなのですが,そうでもありません.
まず,[Gy]は放射線の種類に関わらず放射線のエネルギー量を示す値になり
この単位は物理や医療の世界で一般的に用いられる放射線の単位となります.
しかし,放射線にはいくつか種類がありましたね,
放射線によって人体に与える影響も異なります,それを考慮した単位が[Sv]となります.
いわば[Sv]は人体への影響に特化した単位でしょう.
最後に[Bq]になりますが,これは少し変わってます.
1秒間にいくつの核種が崩壊を起こすかという単位であり,これだけ時間[t]が次元に含まれます.
1[Bq]ならば一秒間に一つの核種が崩壊しています.
放射線はこの崩壊時に放射されます.

きっといまいちわからないと思います.
適切な表現かどうかわかりませんが,環境系の学生らしくCO(2)の排出と電気の関係で示してます.
電気を使うとCO(2)が出てくると言われてますね.
でも,このCO(2)の量は何で発電されたかによって異なります.
火力・水力・原子力・その他・・・・

こうして考えたとき,発電所の出力を[Bq]使う電気量を[Gy]で排出するCO(2)を[Sv]とすれば
ちょうどいい例えになると思います.
少々苦しいですが・・・

6.放射性物質の違いによる放射線
某SNSなどで「プルトニウムが一番危険」「半減期が長いほど危険度が高い」
「外部被ばくでも放射性物質により異なる」などの記述が気になります.
これらは正しくもあり間違ってもいます.

まず正しい部分として,プルトニウムが危険なのはその放射線の質ではなくて
肺に入ってしまうと排出できない事に問題があります.
そのため,プルトニウムが危険というより肺に放射性物質物質がはいる事が危険なのです.
またヨウ素などは血中に溶解し尿として排出されますがプルトニウムがそのような作用を持ってない事も
原因になりそうです.

半減期が長いほど危険度が高いというのは一概には言えません.
なぜならば,半減期が長いという事はその核種の出す放射線量は少なく長く続く意味で.
半減期が長いほど放射線量は少ないと言えます.

放射性物質による放射線の違いについては微妙です.
たしかにここで問題となるα崩壊によるα線(ヘリウム原子核)とβ崩壊による電子線です.
これらは確かに放射性物質により異なりますが,この2種類しかなく.特に何々が危険な放射線を出す
という事はありません.
この時,便利な概念として崩壊系列があり,一つの核種が放射線を複数回だしながら
物質を変化していくことです.
一例を上げれば例えばPu239(プルトニウム239)はアクチニウム系列に属し
プルトニウム239→ウラン235→トリウム231→プロトアクチニウム231→・・・・→鉛207
と変化していきます.
放射線が崩壊毎に出されることから,一つのPu原子から12回も放射線が出ると言えます.
一見危険そうに思いますが,プルトニウム239の半減期が2万4千年から,そんな心配をする必要はなさそうですね.


途中で息入れ感も否めませんが
その3も書けたら書こうかと思います

2011年4月3日日曜日

放射線が人体に与える影響(1)

そういえば,ブログをリニューアルしてから全く編集してないなw

私は研究で癌についてやっており,特に放射線療法に直結する内容を研究してます.
まだまだひよっこの知識から放射線が与える人体への影響を整理してみた.

1.放射線は細胞異常をきたす
これははっきり物理現象としても生理現象としても研究しつくされています..
しかし放射線にも色々種類があり,それぞれ異常をきたす機序が異なっており
大まかにわけて放射線は2種類に分けれます.
それは線エネルギー付与の違いで【高LET】【低LET】と呼ばれます.
【高LET】は重量子線でα線など【低LET】は電子線,中性子線や電磁波が当てはまります.
これらはより正確に生物に対する影響を考慮すると生物学的効果比(RBE)で表され
これを上手く組み合わせたものがシーベルト(Sv)と呼ばれています..
ここで【高LET】は遺伝子を直接破壊しますが【低LET】はその電離作用で酸素を励起させ活性酸素とし
その活性酸素とタンパク質との作用で遺伝子を損傷・破壊します.
放射線療法においては【低LET】は保険適用ですが,【高LET】は自由診療で治療費はおよそ300万円かかります.しかし,予後と副作用は天と地の差があり私はお金を出し手でも【高LET】を使うと思います.

2.遺伝子異常は癌を誘発する
正確には遺伝子異常をきたし,その細胞が浸潤・転移・無限増殖の三要素を兼ね備えた物が癌と呼ばれます.それを兼ね備えた物ではない場合良性腫瘍と呼ばれるものです.
染色体は日々,宇宙線や化学物質,その他の影響をうけて遺伝子は損傷をうけている上
遺伝子のコピーをするときのミスも遺伝子異常の大きな原因な一つです.
しかし,正常細胞にはこれまでの生存競争を生きてきた遺伝子を修復するプロセスがあります.染色体は対になったらせん構造であり正常な鎖を元に異常な遺伝子を修復します.
ここで染色体と遺伝子を使い分けていますが,染色体はあのらせん構造そのものの事で
遺伝子はその染色体の中で【意味】を持った部位の事をさします.つまり【意味】を持たない部位は異常を起こそうかどうしようが何の影響も無い部位です.その割合は全染色体の大部分を占めています.
また,遺伝子が復旧できない場合はアポトーシス(細胞自殺)という作用から周りに迷惑になる前に消滅します.
時々この異常がアポトーシスを司る遺伝子(p53遺伝子などがん遺伝子)に及んでしまった時だけ癌になります.
このようにして体の中は秩序が非常に合理的な方法で保たれています.

3.内部被ばくと外部被ばく
被ばくにも2種類あり放射性物質を体内に取り込む内部被ばくと外の放射性物質から影響をうける外部被ばくです.

現在問題となっているのは一般人にとっては内部被ばくであり
現地で作業している人は外部被ばくです
これらは全く意味が異なっており混同するのは危険です.
内部被ばくは体内に放射性物質を取り込むことによって慢性的に放射線を浴び
皮膚(特に角質層)という防護を全くうけていないので臓器などに直接影響を受けます.
しかし,そのためには体内に留まらないといけません
口径摂取によってヨウ素は甲状腺に溜まる作用があり危険ですが,セシウムは微量筋肉に蓄積されますが影響は小さいです.それ以外の物質に関してはほとんど排泄されます.
一方呼気による摂取は危険で肺に入るとそれを取り除く作用は弱く留まり続けてしまいます.
プルトニウムなど口径による影響は小さいですが呼気による影響が甚大となります.
このようにして一口に放射能と言っても場合分けして考えていけないのがミソとなるでしょう.


続きはまた書こうと思います.